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160号

2018/10/18

 猛暑続きの日々が過ぎ去り、金木犀の香りが秋の色を深めている。「スポーツ」「芸術」「勉強」の季節に例えられるように、新しいことにチャレンジするシーズンの到来だ▼ある文献によると、新しい習慣が身につくには21日間かかるのだという。しかし「三日坊主」という言葉が身近にあるように、21日間も継続させるのはなかなか容易ではない。目に見える成果や達成感がないまま手探りで突き進むには、根気と共に地道な努力が必要だ▼ノーベル医学生理学賞を受賞した京都大学・本庶佑特別教授らの研究は、元々別の研究で発見した分子が端緒になったと聞く。その分子は、細胞死を引き起こす免疫と仮定され、新たながん治療開発の希望の光となった。研究が証明されるのに要した年月は実に27年。どうかすると投げ出してしまいたくなるような実験を「決着するまでやる」と決意し、取り組み続けた努力の賜物なのだろう▼受験シーズンを目前に控えた受験生は、思うような成果が得られずにくじけそうな日もあるに違いない。しかし、あきらめるには時期尚早だ。模索しながら身につけた自分なりの勉強方法と習慣を信じることで、未来の扉が開くのだと考えたい。

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