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第45号(令和2年1月31日発行)歌手・中澤卓也さん

2020/02/03

目の前にあることにていねいに向き合えば、
それが自分自身の糧になり、道は拓ける!

歌手 中澤卓也さん

































 高校生時代に出場した「NHKのど自慢」で〝今週のチャンピオン〞になったことがきっかけとなり、演歌歌手としての道を切り拓いた中澤卓也さん。現在は地元・新潟県の「津南町ふるさと大使」も務めるなど、多方面に活躍の場を広げています。
 中澤さんにこれまでの歩みを振り返っていただくのと共に、今後の目標や進路選択を控える高校生のみなさんに応援メッセージをいただきました。


極度の人見知りだった幼少期 小学生の時の音楽イベントが転機
 私は平成7(1995)年10月3日、新潟県長岡市で生まれました。幼少期は極度の人見知りで、幼稚園の送迎の時は母親から離れることができずに、いつも泣いていた記憶があります。当時は友だちがいるクラスではなく、先生のいる教務室で過ごさせてもらうなど、とても手のかかる子どもでしたね。
 小学校に入学しても、最初のうちは同じ状態が続きました。ある時、音楽委員会が主催している「ミュージックカップ」という音楽イベントが校内で行われることになり、思い切って応募してみることにしました。その時に体育館で森山直太朗さんの「さくら(独唱)」を歌い、人前で歌う楽しさを初めて知りました。
 中学校入学後は卓球部に入るかたわら、先生の勧めで生徒会長に立候補し、投票の結果、生徒会長として選出されて活動するなど、人前で話すことにも慣れるようになりました。


高校1年生までレーサーを目指す 祖母の勧めで「NHKのど自慢」に出場
 中学校卒業後は、開志学園高等学校(新潟市)に進学しました。実は、小学校3年生から高校1年生まではレーシングカートに打ち込み、レーシングドライバーを本気で目指していたんです。もともとミニカーで遊んだり、レーシングゲームをしたりすることが大好きで始めたのですが、レーシングカートは費用の負担が大きいことに加え、自分自身でもレーサーを目指す上での限界を感じ、ひと区切りをつけることにしました。
 その当時は本気で取り組んでいましたので、しばらくは無気力な状態が続き、家族との関係も何となくギクシャクし始めていきました。そうした私の状態を見かねた祖母が、地元で「NHKのど自慢」が開催されることを知り、「昔は歌好きだったでしょ。気分転換に出場してみたら?」と、勧めてくれました。その言葉に背中を押され、応募ハガキを書いて出しました。幸運にも書類選考が通り、予選会に呼ばれました。そして予選会も通過することができ、本番のステージに立つことが決まりました。
 本番では、小学生の時に学校で歌うほど大好きだった森山直太朗さんの「さくら(独唱)」を気持ちを込めて歌いました。その結果、〝今週のチャンピオン〞に選ばれ、そこから私の人生は大きく変わりました。
 友人からたくさんのお祝いメールが届いたほか、後日レコード会社から「歌手になりませんか?」と、スカウトを受けました。話を聞くと、演歌歌手になって欲しいということでした。当時の私は、J-POPは好きでしたが、演歌はほとんど歌ったことがなかったため、すぐには結論を出さず、家族とじっくり相談をすることにしました。その話し合いの中で母が、「歌手になりたくてもなれない人がたくさんいる中で、少し前までレーシングカート一筋だった卓也にこんなお誘いが来るのは奇跡みたいなことだよ。興味があるのなら、チャレンジしても良いんじゃない」と、背中を押してくれました。不安は当然ありましたが、「人生は一回だけ。やれるだけやってみよう」と決心し、演歌歌手の道を歩むことにしました。


「昨日より良い歌を」が座右の銘 目標は「NHK紅白歌合戦」に出演
 現在は、幸運にもテレビやラジオ、音楽番組など、さまざまなお仕事をさせていただき、活動しています。デビュー以来、少しずつ社会で認知されるようにはなりましたが、自分ではまだまだですね。ですから、「昨日より良い歌を」を座右の銘に掲げ、昨日の自分を超えて日々成長できるようにこれからも頑張っていくつもりです。
 今後の目標については、やはり歌手である以上、「NHK紅白歌合戦」のステージに一度は立つことを夢見ています。これは歌手・中澤卓也としての目標というよりも、日頃から応援してくださっているファンのみなさまやお世話になっている事務所関係者、出演している番組スタッフ、そして応援してくれている家族のためにも、恩返しの意味を込めて、いつの日にかきっと実現するつもりです。その大きな目標を達成した時に、また新たな一歩が踏み出せるのだと思っています。


人生は何が起きるか分からない 日々を大切に青春を謳歌して!
 高校生のみなさんは、いまは進路選択を控え、これからの目標を探していたり、あるいは悩んだりしているかもしれません。しかし、焦る必要はありません。いま目の前にあることを一つひとつていねいにこなしていけば、それがきっと自分自身の糧になるはずです。
 私自身、いまは演歌歌手という全く畑違いな仕事をしていますが、振り返れば高校1年生まではレーシングカートに本気で打ち込んでいて、あの時に全力で頑張っていたからこそ、あきらめもつきましたし、いまの自分があるのだと思っています。その意味では、人生は何が起こるか分かりません。日々の授業や部活動、自分の趣味などに対して全力で取り組んでいけば、必ずや道は拓けるでしょう。貴重な青春時代を謳歌しつつ、これからの未来を切り拓いていってください。応援しています! 頑張りましょう。




なかざわ・たくや●平成7(1995)年10月3日、新潟県長岡市生まれ。平成25(2013)年3月31日、地元・長岡市で開催された「NHKのど自慢」で〝今週のチャンピオン〞に。レコード会社からのスカウトを経て、平成29(17)年1月18日、「青いダイヤモンド」でデビュー。同年、「第50回 日本有線大賞」で有線奨励賞、「第59回 輝く! 日本レコード大賞」新人賞受賞。いま最も期待と注目を集める若手演歌歌手の一人。



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