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187号

2021/01/14

 「密」「混乱」「激動」―。新型コロナ禍に揺れた昨年を形容する言葉は多様だが、世界中がパンデミックの影響を受けたという意味では、記憶の共有は一極化しそうな一年だった▼いまでこそ正月に食すイメージが強い餅だが、日本では古来より、餅は神に供えるものとの考えから「ハレの日」に食べるものであったという。また、鏡餅の丸い形は、心臓を模したもので「タマ(魂)」を象徴し、それを食べることで魂を補充することが必要と伝わる。工業技術が発達する以前は、白を人工的に作るのは難しく、神を寄りつかせる清浄性のある白い餅は重宝されてきた▼お年玉は、いまでこそ正月に子どもがもらう小遣いを指すのが一般的になったが、元来は、餅のことだったという。小餅をつくり、家長が家族の一人ひとりに配当する風習がお年玉の起源だ▼16日には、第一回目となる「大学入学共通テスト」が実施される。緊急事態宣言下での実施となることもあり、より緊張感が漂う。しかし、社会的な混乱の中であっても、それぞれが自分なりの方法で準備を進めてきたはずだ。自分を信じて全力を尽くして欲しい。その奮闘が報われ、ハレの日を迎えることを祈っている。





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