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第87回 筑波学院大学 理事長 橋本 綱夫氏

2021/07/20

国際的視野で社会課題を解決できる人材を育成
筑波学院大学 理事長 橋本 綱夫氏



「Knowledge Virtue Art」を建学の精神に掲げる筑波学院大学(茨城県つくば市)。2022年4月から、従来の学びの形を刷新し、「ILAコース」と「総合コース」の2コース体制に生まれ変わる。国際的視野を醸成し、地域を含む社会課題をグローバルな視点で解決できる人材の育成を目指す。
 大学の母体、学校法人筑波学院大学・橋本綱夫理事長を訪ね、新生・筑波学院大学の学びの魅力をうかがった。



多文化共生キャンパスで実現する「21世紀型教育」
――貴学が掲げるビジョンについてうかがえますか。
 本学は2019年から、一法人一大学として、新たなスタートを切りました。
 それに伴い、より良い大学をつくるにはどうすべきか、学長を中心にさまざまな議論を交わして練り上げたのが「Vision2040」です。
 この「Vision」の中で、本学の中長期的な目標として掲げる大学像とは、①解なき問いを思考する主体的・対話的で深い学び、国際共通語「英語」による学びを主軸とする「学生ファースト」の教育により、学生を鍛え、高い人間力・コンピテンシーを持ったグローカル・ビジネスエリートを育てる大学②社会に貢献する大志を持つ学生が、地域から、全国から、世界から志願してくる国際競争力を有する大学③卓越した教育研究リソース(資源)を活かし、地域ニーズに応えた受託事業・研究、および共同研究等を通じて社会の発展に貢献し、地域に必要とされる大学――の3点です。
 情報化や国際化が急速に進む現代社会において、環境は目まぐるしく変化しています。学生自身の活躍はもちろん、本学が特に重視するのは世の中の人のためになる、社会の発展に貢献できる人材の育成です。
 これらの目標を実現するために、本学は、多文化共生キャンパスによるグローバル教育と、21世紀型教育による先端教育の実践に全学を挙げて取り組んでいます。アクティブ・ラーニングなど、新しい教育スタイルを柔軟に取り入れていくことで、教育内容の向上に努めています。


グローカル・ビジネスエリート 社会を牽引する人材を育成
――「グローカル・ビジネスエリート」の育成に主眼を置いていらっしゃる。
 現代社会で求められるのは、ローカルな問題をグローバルな視点で解決できる人材です。その意味で、本学では社会を牽引することができる高い意識と使命感を持った人材を「エリート」と捉え、「グローカル・ビジネスエリート」として育てていきます。変化が著しい時代の中で、主体的に考え、行動を起こせる学生を育てていくために、本学では「アクティブ・ラーニング」に本気で取り組んでいきます。具体的には、学生一人ひとりが到達目標に向けて、主体的に学ぶ仕組みを構築します。例えば、授業の対話やアサインメントを与え、インプットにとどまらず、アウトプットする時間を設けるなど、学生が自身のアイデアや意見を発信する機会を数多く設けます。
 こうした学びの機会は学生が一方的に享受するものではありません。授業を担当する教員自身も学生から学ぶことがあるはずです。学生と教員が対話することで、互いに考えを深めていくことが重要なポイントだと考えています。
 
――より良い授業を実践するために、さまざまなことに取り組んでいます。
 21年度からは「授業研究会」を実施しています。毎月、教員2人が担当する授業においてどのような取り組みをしているのか、全教員が共有できる機会として位置づけています。教員同士で熱い議論が交わされており、教員が一丸となって授業内容の向上に精力的に取り組んでいる姿勢は、本学の誇りとする部分でもあります。
 また、授業内容を磨き上げるために、「学生アンケート」を各学期に3回実施しています。学期内に複数回実施することで、教員がその結果をすぐに活かすことができるよう利便性を高めています。

――「21世紀型教育研究所」が注目を集めています。
 本学の教育研究リソースを社会に還元するべく、昨年12月に「21世紀型教育研究所」を新設しました。「21世紀型教育研究所」は、学内の教員にとどまらず、外部の有識者や高校の先生方などにご参画いただくことで、大学の外の世界で起きている教育の変化に敏感になって“良い部分や新しい動き”を吸収していきたいという意向があります。
 高大連携の観点からも、高校の先生方が大学教育に期待することなど、ご意見を頂戴したいのです。オープンイノベーションとして、外の「知」を活かしつつ、新たな教育手法や内容を取り入れながら、授業のレベルを向上させていきます。季刊研究所報「つくば21C教育フォーラム」では、本学や高校での先進的な教育を紹介しています。送付ご希望の高校関係者の方はご連絡ください。


“卓越した英語力”を身につける 専門科目も「英語」で学修
――グローバル教育の中核となる「ILAセンター」にふれてください。
 本学ならではの多文化共生キャンパスを象徴する、グローバル教育の中核となる施設として新設したのが「ILAセンター」です。現在は、英語ネイティブ教員7人、日本人英語教育専門教員2人で構成されています。
 特に注目して欲しいのは、本学の英語ネイティブ教員は、英語を教えるためというよりも、多彩な分野の専門教育を担当しているということです。中には、日本文化や日本文学に造詣が深い方もいます。22年4月に新設予定の「ILAコース」は、英語力を卓越した水準に向上させるのはもちろんですが、英語で専門科目を学ぶことができる点も魅力です。夏季の7・8月には、ILAセンターが主催する「ENGLISH SUMMER CAMP」が開催されます。
 このプログラムは、高校生のみなさんに本学のグローバル教育を体感していただく趣旨のものです。三日間で充実のメニュー構成で、センターの教員が直接指導します。教員とはもちろん、参加者同士の交流を通して、“生きた”英語力を身につけていただけます。さらに、1日で体感したいという方には全3回のオープンキャンパス内で「1DAY ENGLISH CAMP」を行います。ぜひ、参加をご検討ください。

――貴学で学ぶ学生に期待することを教えてください。
 本学を卒業後、現在よりもさらに良い社会をつくるという高い志を持っていただきたい。今後、社会的な課題はますます山積されていくことでしょう。そうした局面に将来の仕事を通じて向き合い、解決し、より良い社会へ導いていくという気概を抱きながら、学生生活を送ることができれば素晴らしい。
 本学は、学生生活でつまずくことがないように、履修登録の方法やレポート作成に関するテクニカル上の指導をする「基礎ゼミ」を開講しています。私も年に一度、講座を担当するのですが、今年は学生時代のインプットの重要性を説きました。実社会に巣立った後、将来的にはアウトプットする機会のほうが多く、インプットに十分な時間を取れるのは、10代から20代の時期、特に学生であるこの瞬間が最も高い自由度があるはずです。自分の学びに集中できる大学時代がいかに大切かということ、そして学生生活の中から自分の役割を見い出して欲しいと伝えました。

――貴学への進学を目指す高校生に向けてメッセージをお願いします。
 本学が目指すのは、誰もが通いやすいグローバルな大学です。例えば、英語で不自由なくコミュニケーションを取れるようになりたいと思っても、まず入学するのが難しいというケースも少なくありません。我が国の教育を豊かにするという志に立てば、それを実現できる大学が手の届く位置にあることが重要だというのが本学の考えです。
 本学が実現する教育に必ずや満足いただけるものと自負しています。ご指導に当たる高校の先生方にも、「こんなに成長したのか」と、納得いただける教育を実現していきます。「自分自身を磨いていきたい」「新しい環境で挑戦していきたい」という方には、本学で最高の4年間を過ごしていただけるという自信があります。一緒に成長していきましょう。みなさんのことをお待ちしています。



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