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211号

2023/01/19

 古来より月を眺めてきた日本の先人たちは、満月の時にみえる暗い模様を、餅をつくウサギの姿に見立ててきた。ウサギと月にロマンを感じる人も少なくないのだろう。今年は卯年だが、そんな日本人の想像力の豊かさを活かせる絶好のチャンスなのかもしれない▼人類にとって身近な動物であるウサギは、古今東西の多くの物語に登場してきた。実際に、国内では「因幡の白兎」や「かちかち山」、海外では「ウサギとカメ」「不思議の国のアリス」などが知られる。ウサギには、物語を創作したいと人に思わせる不思議な魅力があるのだろう▼現在、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、日本人宇宙飛行士選抜試験を13年ぶりに実施している。この試験で新たに選抜された宇宙飛行士候補者は、米国が提案する国際的な月面探査プログラム「アルテミス計画」に関与する見込みだ。ウサギとの邂逅に期待したい▼これまで宇宙の謎が解き明かされてきた背景には、科学者らの事象に対する深い知識や日々の観察、そしてそれらを土台とした豊かな発想力があったのだろう。受験生のみなさんも、将来のずっと成長した自分を想像していま必要とされる努力を続けて欲しい。




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