トップページ > 学窓 > 219号

前の記事 | 次の記事

219号

2023/10/02

 9月も半ばを迎える頃には、涼やかな空気と共に紅葉の季節が間近に迫ってくるのが常だ。しかし今年は厳しい残暑が続き、10月も全国的に平均より暑くなるとの予報も出ている▼この暑さでは、農作や自然にも影響が及び「紅葉の秋」や「食欲の秋」など例年通りに秋を感じることは難しいのかもしれない。しかし、ほかにも秋を感じる瞬間が少なくないのが嬉しい▼例えば日照時間だ。夏から秋にかけて少しずつ早まる「日の入り」は、まさしく秋冬への入り口だと言える。また、9月といえば「中秋の名月」だ。いつもと同じ月でも、十五夜に見上げる月からは季節の移ろいを感じることができるだろう▼「○○の秋」のように代名詞的なものがあると、ついそればかりを追いかけてしまいがちになる。しかし、視点を増やせばその季節を感じる要素がほかにもあるのが日本の魅力だ▼夏休みはすでに過ぎ、気持ちが落ち着かなくなる時期であるのも確かだが、願わくは、いま頑張っている受験勉強や進学後の学びでも多くの視点を持ちあわせるようになれれば素晴らしい。秋冬を越え暖かな春に桜の花びらが開くように、受験生たちの努力が立派な実になることを願っている。




[news]

前の記事 | 次の記事