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第67号(令和7年7月10日発行)俳優・増子敦貴さん

2025/08/06

自分の意志で選択することで 理想の人生に近づくはず
俳優 増子敦貴さん
































 男女7人組のダンス&ボーカルグループ「GENIC」のメンバーとして活躍している増子敦貴さん。現在は俳優としてドラマ「北くんがかわいすぎて手に余るので、3人でシェアすることにしました。」に出演を果たすなど、大きな注目を集めています。
 人気急上昇中の増子さんを訪ね、これまでの人生ストーリーをおうかがいすると共に、進路選択を控える高校生のみなさんに向けて応援メッセージを送っていただきました。


サッカーに情熱を注いだ学生時代 夢はプロサッカー選手になること
 福島県の郡山市で育ちました。幼少期は引っ込み思案な性格で、幼稚園に行くのも気が進まず大変だったそうです。そのため、母親が自分の好きな虫を幼稚園に行くまでの道の途中に置いて、それを追いかけながら母親と一緒に幼稚園に行ったこともありました(笑)。当時を振り返ると、母親にはたくさん迷惑をかけましたし、いまでは感謝の気持ちでいっぱいです。
 小学校に入学後は少しずつ明るく活発な性格になっていきました。特に小学校1年生からは地元のサッカーチームに入り、学校以外の時間はサッカーボールばかり蹴っているような少年でした。
 毎日真剣にサッカーと向き合っていましたので、日々の練習の成果が出たのか、小学校高学年の時には福島県代表チームに選出されました。また、所属していたサッカーチームではキャプテンを任されるほどサッカーが上達し、少しずつ自信もついていきました。
 そして中学校に入学後はもちろんサッカー部に入部をしました。実は自宅から一番近い中学校ではなく、サッカー部が強いことで知られる別地区の中学校に入学し、サッカー漬けの生活を送っていました。顧問の先生は厳しかったですが、良いプレーをした時はしっかりと褒めてくださる愛情のある素晴らしい方でした。卒業式の日にその先生から「一番でなくとも一流であれ」とメッセージが書かれた色紙をいただき、とても感動したことを覚えています。その色紙はいまでも実家で大切に保管していて、中学校時代の良い思い出の一つとして心に残っています。


強豪校で人生初の挫折を味わう オーディションを受けて芸能界へ
 小学校・中学校とサッカーに全力で取り組み、将来の夢はプロサッカー選手になることでした。そのため、高校は福島県を飛び出してサッカー推薦で仙台育英学園高等学校(仙台市)に進学をしました。仙台育英学園高校は多くのJリーガーを輩出している全国屈指の名門校で、ここで活躍することができればプロサッカー選手への道が拓けると思い、入学することを決めました。
 しかし、実際にサッカー部に入部してみると、周りの部員は中学校時代に大活躍した選手ばかりで、練習についていくのがやっとという状況でした。レベルの高さに圧倒され、ここでレギュラーをつかんで試合に出るのは難しいのかなと感じ始めていた時に、偶然父親が芸能関連のオーディション情報を見つけて教えてくれました。「テレビや雑誌などのメディアに出られるお仕事はおもしろそう」と直感的に感じ、思い切って応募することにしました。そのオーディションには落選してしまったのですが、後日応募した「Boys Award Audition2016」では幸運にもファイナリストまで残ることができ、スカウトされて芸能事務所に所属することになりました。その後は東京に引っ越し、ダンスや歌のレッスンなどを本格的に受けてデビューを果たし、現在に至っています。


ドラマでは書店員の西野悠を熱演 男女4人のシェアラブコメディー
 7月1日からは私が出演している「北くんがかわいすぎて手に余るので、3人でシェアすることにしました。」が放送されています。この作品は、本田翼さんが演じる看護師の浅田南と、志田未来さんが演じるパン屋の店員・比留間東子と、僕が演じる書店員の西野悠の3人が「北くん」こと岩瀬洋志さん演じる真中北に恋をし、北くんの愛を3等分ずつシェアする「33%の会」を結成して男女4人で同棲生活を送るというシェアラブコメディーです。
 西野悠は過去の出来事をきっかけに、女性に対してトラウマを持っているのですが、物語が進展していくにつれて西野がどのように成長していくのかが見どころの一つになっています。
 また、北くんをめぐって3人が繰り広げるコミカルで軽快な会話劇も観ていてとても楽しいと思いますし、これまでの恋愛観に一石を投じる新感覚の作品に仕上がっていますので、興味のある高校生のみなさんはぜひ視聴していただければ嬉しく思います。


観ている人々に元気を届ける 自分で進路を切り拓こう!
 現在は俳優として、そして「GENIC」のメンバーとして充実した日々を送っています。今後もいただいた一つひとつのお仕事をていねいにこなしていき、ドラマや映画、舞台、音楽活動などを通して観ている人々に元気や幸せを届けられるようにこれからも頑張ります。
 また、直近の具体的な目標としては、NHK の「連続テレビ小説」である朝ドラに出演したいという気持ちがありますので、オーディションを勝ち抜けるようにさらに精進していきたいと思っています。
 進路選択を控える高校生のみなさんに対しては、「自分の進路は自分で切り拓こう」と、エールを送りたいと思います。私は現在芸能界でお仕事をさせていただいて、きっかけは父親ではありますが、自分で切り拓いた道なので毎日が楽しく充実感があります。自分の意志で主体的に選択することが、理想の人生に近づく方法だと思いますので、高校生のうちに自分の将来について真剣に考えて、卒業後は自分の思い描く夢や目標に向かって全力で頑張ってください。陰ながら応援しています。



ましこ・あつき●平成12(2000)年1月5日生まれ、福島県郡山市出身。平成28(16)年、「Boys Award Audition2016」でファイナリストとなったことを契機に芸能界入り。以後、ドラマ「機界戦隊ゼンカイジャー」や「体感予報」、舞台「千と千尋の神隠し」など俳優として活躍。また、令和元(19)年からはダンス& ボーカルグループ「GENIC」のメンバーとしても活動。7 月1 日より放送されているドラマ「北くんがかわいすぎて手に余るので、3 人でシェアすることにしました。」では書店員の西野悠役で出演を果たすなど、今後の飛躍がますます期待されている若手俳優の一人。



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