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デザインコンペで14作品受賞
2008/11/06
「MITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD 2008」の授賞発表会が、10月31日に行われた。これは、デザインを学ぶ学生の卒業制作を対象としたコンペで、今年で8回目となる。
毎年数百点の応募があるが、今年は200点を超える応募作品が集まった。残念ながら今年は、大賞該当作品はなかったものの、佳作および審査員特別賞など14作品が選ばれた。
審査員の向井周太郎氏(武蔵野美術大学名誉教授)が選んだ向井周太郎賞を受賞した幸治絵理子さん(東洋美術学校視覚伝達デザイン科卒業)の作品は、野菜で作った再生紙のデザイン「菜生紙」。幸治さんは「いじめられっこだった自分が、さまざまな人との出会いに恵まれてできた作品」と涙ぐんだ。向井氏は「問題意識の構成と展開に感動した。野菜を紙で漉くという手法が素晴らしい」と絶賛した。
幸治さんの作品「菜生紙」
野菜と紙を漉いた再生紙
編集者の都築響一氏が選んだ都築響一賞には、若槻千鶴さん(東北芸術工科大学デザイン工学部卒業)の作品「消耗品素材のデザイン化―蝋燭―\\」が選ばれた。通常、縦長のものが多いろうそくを平たいデザインにしたことで、例えば花火をするときに風で倒れて困る、というようなことがなくなる。デザインの意外性やポップさ以上に、プロダクトとしての可能性を追求したというが、若槻さんは「伝えきれなくてくやしい」とも語った。
若槻さんの作品「消耗品素材のデザイン化―蝋燭―\\」
お菓子の形をしたロウソク
卒業制作という、社会に出てからでは作れないような作品を表彰するこのコンペにおいて、今年大賞該当作品が出なかったことについて、都築氏をはじめ、多くの審査員が「来年は学生らしい元気な作品がほしい」とエールを送った。
今年度の受賞作品は、11月6日~9日の間、東京国際フォーラムにて展示される。