トップページ > 「進路新聞」私の進路ストーリー > 第17号(平成25年1月30日発行) 女優 桐谷 美玲さん
第17号(平成25年1月30日発行) 女優 桐谷 美玲さん
2013/02/13
自分の足でまず一歩踏み出して!
女優 桐谷 美玲
映画やドラマ、CM など、いまやテレビで見ない日がないほど注目を集めている女優・桐谷美玲さん。声優やニュースキャスターにも意欲的に挑戦し、活躍の幅をますます広げています。「仕事と学業を両立できたのは周りの人たちのサポートのおかげ」だと話す桐谷さんに、いままでのこと、そしてこれからのことを聞きました。
■世界が変わった一本の電話
小さい頃は内弁慶で、人見知りの激しい子どもだったと思います。祖母の家へ遊びに行っても慣れるまでは何も話すこともできず、母の後ろにずっと隠れてしまうくらいでした。目立つことが好きじゃなかったんですね。
でも、父の仕事の関係で小学5年生の時に大阪に引っ越してから少しずつ性格が外向的に変わっていったように思います。自己主張するという大阪の空気が意外に合っていたみたいです(笑)。ふさぎこんでいるだけじゃダメなんだなあって。徐々に自分を出していけるようになりました。
芸能界に入ったきっかけは、高校1年生の夏休みにかかってきたある一本の電話でした。実はその日、友人から「変な人に探されているから気をつけて」と言われてたんですよ。「なんだろう…怖いね」と母親と話している最中の突然の連絡だったので、とても戸惑いました。種を明かしてしまえば、いま所属している事務所からの連絡だったんですが、うちの事務所は、聞き込みをして名前が挙がった人にコンタクトを取るというスカウト方法で、どういうわけか私の名前が出たんでしょう。本当に驚きました。
■楽しみながらやることが大事
正直に言うと、はじめの頃は女優というお仕事にはまったく興味はありませんでした。何をどうすれば良いのか、なぜ自分がそこにいるのかがはっきり分からないまま、とにかくやっている、そんな感じだったように思います。
最初は「監督に叱られるのが怖いから、セリフがないほうがいいかな」なんて思っていたんです。セリフがなくて喜ぶ女優さんっていないと思うんですけれど、そのくらい不安や緊張がすごく大きかった。
そんな中、映画「ジーン・ワルツ」という作品に出合いました。菅野美穂さんや南果歩さんなど、本当に有名な方々の中に経験の浅い私がポーンと放り込まれた状態で、「ああ、どうしよう」という思いで一杯でした。それでも、「やるしかないんだ」って自分を奮い立たせました。
私は若い妊婦の役だったので、出産の大変さを母に聞いたりDVDを見て勉強して、撮影に挑みました。出産後のシーンでは、赤ちゃんをとり上げていただく役だった浅丘ルリ子さんが「経験したことないのによく頑張ったわね、えらいわよ」と、声をかけてくださって。
こんな私でもちゃんと見ていてくれる大先輩の方々がいる素敵な世界で「私、頑張らなければいけない!」と、強く思いました。撮影は大変だったはずなのに、達成感があって心の底から「楽しい」という感情が湧き上がってきたんですね。「緊張して苦しい」ということではなく、自分が楽しんでやらないとダメなんだって気がつきました。この作品のおかげで、お仕事に対する心構えがガラッと変わりました。
■高校生活を支えてくれた人たち
芸能界のお仕事を始めた時に、高校は必ず卒業すると両親と約束しましたし、一生懸命頑張って入学した高校だったので、私自身絶対に卒業したかったんです。いくら忙しくても午前中だけでも授業に出るとか、あるいは午後の1時限でも足を運ぶようにしていました。お仕事をしているから適当なんだとは見られたくなかった。
授業についていけなくなることもないわけではなかったのですが、友人に教えてもらったり、先生に特別補習をしていただいたりと、周囲の人たちのサポートのおかげで両立することができました。
また、進学校だということもあり、大学進学を当然のことのように思っていました。大学でしかできない勉強をして内面を磨きたいと思ったのが、進学に踏み切った最大の理由ですね。受験期にちょうど作品を撮っていたので、どの大学なら無理なく受験までの道のりを歩めるのか、当日試験に行けるのかなど、先生方と相談して決めていきました。
大学では、映像制作やCM 研究、ファッション研究などができる学科に進みました。仕事にも活かすことができ、進学して本当によかった。家族や友人、それに先生方の支えがあってこそ、いまの私があるんです。
■高校生のみなさんへ
私は周りのみなさんに支えてもらいながら、ここまで歩いてくることができました。進路を考える上で、心配や不安がもちろんあると思います。でも、自分のことを理解してくれる人は絶対いるはずです。
独りで考え過ぎないで、周囲の人たちに迷わず相談してみてください。「無理だ」と思わずに自分で一歩踏み出せれば、新しい世界がきっと見えてきます。
怖がらずに前に進んで、楽しみながら目標に向かうことができたら素晴らしいな、と思います。私も、「飾らなくても自分らしさを出せるカッコいい女性」を目指して、全力でできる限りのことに挑戦し続けるつもりです。
きりたに・みれい
1989 年12月16日生まれ。2006 年、映画「春の居場所」でデビュー。主な出演作に映画「荒川アンダーザブリッジ」や「ツナグ」などがある。2012 年4 月には報道番組「NEWS ZERO」
のキャスターに抜擢。いま、各方面から大注目を集める若手人気女優の一人。
女優 桐谷 美玲
映画やドラマ、CM など、いまやテレビで見ない日がないほど注目を集めている女優・桐谷美玲さん。声優やニュースキャスターにも意欲的に挑戦し、活躍の幅をますます広げています。「仕事と学業を両立できたのは周りの人たちのサポートのおかげ」だと話す桐谷さんに、いままでのこと、そしてこれからのことを聞きました。
■世界が変わった一本の電話
小さい頃は内弁慶で、人見知りの激しい子どもだったと思います。祖母の家へ遊びに行っても慣れるまでは何も話すこともできず、母の後ろにずっと隠れてしまうくらいでした。目立つことが好きじゃなかったんですね。
でも、父の仕事の関係で小学5年生の時に大阪に引っ越してから少しずつ性格が外向的に変わっていったように思います。自己主張するという大阪の空気が意外に合っていたみたいです(笑)。ふさぎこんでいるだけじゃダメなんだなあって。徐々に自分を出していけるようになりました。
芸能界に入ったきっかけは、高校1年生の夏休みにかかってきたある一本の電話でした。実はその日、友人から「変な人に探されているから気をつけて」と言われてたんですよ。「なんだろう…怖いね」と母親と話している最中の突然の連絡だったので、とても戸惑いました。種を明かしてしまえば、いま所属している事務所からの連絡だったんですが、うちの事務所は、聞き込みをして名前が挙がった人にコンタクトを取るというスカウト方法で、どういうわけか私の名前が出たんでしょう。本当に驚きました。
■楽しみながらやることが大事
正直に言うと、はじめの頃は女優というお仕事にはまったく興味はありませんでした。何をどうすれば良いのか、なぜ自分がそこにいるのかがはっきり分からないまま、とにかくやっている、そんな感じだったように思います。
最初は「監督に叱られるのが怖いから、セリフがないほうがいいかな」なんて思っていたんです。セリフがなくて喜ぶ女優さんっていないと思うんですけれど、そのくらい不安や緊張がすごく大きかった。
そんな中、映画「ジーン・ワルツ」という作品に出合いました。菅野美穂さんや南果歩さんなど、本当に有名な方々の中に経験の浅い私がポーンと放り込まれた状態で、「ああ、どうしよう」という思いで一杯でした。それでも、「やるしかないんだ」って自分を奮い立たせました。
私は若い妊婦の役だったので、出産の大変さを母に聞いたりDVDを見て勉強して、撮影に挑みました。出産後のシーンでは、赤ちゃんをとり上げていただく役だった浅丘ルリ子さんが「経験したことないのによく頑張ったわね、えらいわよ」と、声をかけてくださって。
こんな私でもちゃんと見ていてくれる大先輩の方々がいる素敵な世界で「私、頑張らなければいけない!」と、強く思いました。撮影は大変だったはずなのに、達成感があって心の底から「楽しい」という感情が湧き上がってきたんですね。「緊張して苦しい」ということではなく、自分が楽しんでやらないとダメなんだって気がつきました。この作品のおかげで、お仕事に対する心構えがガラッと変わりました。
■高校生活を支えてくれた人たち
芸能界のお仕事を始めた時に、高校は必ず卒業すると両親と約束しましたし、一生懸命頑張って入学した高校だったので、私自身絶対に卒業したかったんです。いくら忙しくても午前中だけでも授業に出るとか、あるいは午後の1時限でも足を運ぶようにしていました。お仕事をしているから適当なんだとは見られたくなかった。
授業についていけなくなることもないわけではなかったのですが、友人に教えてもらったり、先生に特別補習をしていただいたりと、周囲の人たちのサポートのおかげで両立することができました。
また、進学校だということもあり、大学進学を当然のことのように思っていました。大学でしかできない勉強をして内面を磨きたいと思ったのが、進学に踏み切った最大の理由ですね。受験期にちょうど作品を撮っていたので、どの大学なら無理なく受験までの道のりを歩めるのか、当日試験に行けるのかなど、先生方と相談して決めていきました。
大学では、映像制作やCM 研究、ファッション研究などができる学科に進みました。仕事にも活かすことができ、進学して本当によかった。家族や友人、それに先生方の支えがあってこそ、いまの私があるんです。
■高校生のみなさんへ
私は周りのみなさんに支えてもらいながら、ここまで歩いてくることができました。進路を考える上で、心配や不安がもちろんあると思います。でも、自分のことを理解してくれる人は絶対いるはずです。
独りで考え過ぎないで、周囲の人たちに迷わず相談してみてください。「無理だ」と思わずに自分で一歩踏み出せれば、新しい世界がきっと見えてきます。
怖がらずに前に進んで、楽しみながら目標に向かうことができたら素晴らしいな、と思います。私も、「飾らなくても自分らしさを出せるカッコいい女性」を目指して、全力でできる限りのことに挑戦し続けるつもりです。
きりたに・みれい
1989 年12月16日生まれ。2006 年、映画「春の居場所」でデビュー。主な出演作に映画「荒川アンダーザブリッジ」や「ツナグ」などがある。2012 年4 月には報道番組「NEWS ZERO」
のキャスターに抜擢。いま、各方面から大注目を集める若手人気女優の一人。
[news]