[第103号]
2014/01/15
十干十二支で言えば、今年は「甲午(きのえうま)」に当たる。甲は「かたい殻に覆われた状態」、午は「草木の成長期が過ぎ、衰えを見せ始めた状態」を表すのだという▼江戸時代末期の甲午である1834 年、老中・水野忠邦は天保の改革を断行した。逼迫した幕府の財政再建を目的に、倹約・風俗粛清を推進。甲午を具現化した時代を切り開くための一手だったのだろう。当時の風景を知る由もないが、いまの日本とダブってしまうのは、単なるこじつけか▼一つ前の甲午は、60年前の1954 年。当時、大学進学率はわずか7・9%だったと聞く。いまや約半数の高校新卒者が大学・短大進学を選んでいる。「大学全入」「大学淘汰」といった激動期を生き残る〝大学力〞が問われる時代の到来だ▼改革と言えば、センター試験廃止、達成度テストの導入など、大学入試にも大きくメスが入ろうとしている。しかしどう転がろうと、受験が人生の岐路であることに変わりはない。挫折することがあろうとも、「跳ね馬」のような生命力を持ち、自分の殻を破るがごとく前進できるよう切に願う▼新年、身の引き締まる思いを感じながら、大学界の動きを見守っていこうと決意を新たにした。