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第31号(平成28年7月10日発行)女優 上白石萌音さん

2016/07/14

最善を尽くせば、必ず道は拓ける!

女優 上白石萌音さん























 映画「舞妓はレディ」の西郷春子役で第38回日本アカデミー賞「新人俳優賞」を受賞し、一躍、注目の女優となった上白石萌音さん。2016 年は映画「ちはやふる」の出演をはじめ、今夏にはアニメーション映画「君の名は。」の公開を控えるなど、今後の活躍がますます期待されています。
 現役女子大生でもある上白石さんを訪ね、ご自身のこれまでの進路ストーリーを語っていただき、高校生のみなさんに熱い応援メッセージをいただきました。


―女優を目指したきっかけについて教えてください。

 きっかけは、子どもの頃に通っていたミュージカルスクールでした。母がピアノの先生をしていたため、小さい頃からピアノを習っていたのですが、母の目から見ると、ピアノを弾くよりも、歌ったり、踊ったりしている時の私のほうがずっとイキイキしていたそうです。それで「この子は体を動かすほうが合ってそうだ」ということで、地元の鹿児島にあったミュージカルスクールに入ることになりました。
 そして、実際に歌ったり、踊ったりしているうちに、漠然と舞台で演技をする仕事に就きたいと思うようになったんです。


―女優を目指すことに対して家族の反応はいかがでしたか?

 「女優になりたい」という気持ちを両親に打ち明けたところ、猛反対をされてしまって…。でも、中学1年生の時、ミュージカルスクールの先生に勧められて、「東宝シンデレラ」オーディションを受けてみると、トントン拍子に選考が進み、デビューが決まりました。
 まさしく人生を変えたオーディションでした。いくつもの奇跡が連続して、一度はあきらめかけた夢をかなえることができました。


―芸能活動と学業の両立で苦労されたことはありますか?

 
中学時代は鹿児島から東京まで通っていましたので、かなり大変でした。土・日曜日に東京に出て、仕事が終わると鹿児島に戻り、月曜日からはまた学校に通うという生活を当たり前のようにこなしていました。宿題などは行き帰りの飛行機の中で片づけていました。
 そして、高校は都内の普通科に進学しました。学習指導に熱心な高校でしたので、1 年生の時からビシバシと鍛えられ、勉強漬けの毎日を送りました。その一方、友人には恵まれました。私が芸能活動をしているからといって特別扱いはせず、ごく自然に接してくれる人ばかりで、学校にいる間は自分が芸能のお仕事をしていることを忘れてしまうくらいでした。それもあって、仕事と学校のオン・オフが非常にしやすい環境でしたね。とても充実した高校生活を送ることができました。


―現在は大学にも通われているとうかがっています。

  英語教育に力を入れている学部で学んでいます。週に8コマも英語の授業があるため、英語漬けの日々を送っています。この前も英語でプレゼンテーションを行いましたし、翻訳の授業なども取っているんですよ。必修科目も多いので、週に5日間も大学に通っています。でも、本当にマルチにいろいろなことができる学部ですので、毎日がとても楽しいです。


―大学受験の思い出を挙げてください。

 
お仕事の都合もあって、受験勉強を始めた時期が遅くて、かなりきつかった覚えがあります。
 苦しかったり、悔しかったり、泣きたくなったりすることもありましたが、合格が決まった時はそうしたことのすべてが吹き飛ぶくらい、とても嬉しく思いました!


―「君の名は。」の見どころはどこにありますか?

  
男子高校生の瀧と女子高校生の三葉が入れ替わってしまうという不思議な物語になっています。
 ごく普通の高校生が主人公だけに、読者のみなさんも自分自身を重ね合わせることができて、観ていて楽しい映画になっていると思います。いろいろな意味で、後にも先にもない作品だと思いますので、作品世界に身を委ねて、一緒に運命に立ち向かっていく経験をしてもらえたらと思います。


―今後の目標について聞かせてください。

 「この作品ではこれを頑張る」など、いまは小さな目標を立てて、それらを達成していく日々ですが、将来的には、何かしらの形で社会に貢献できる人になるのが目標です。
 特に女優という職業は、作品によって心の支えになれるお仕事だと思いますので、これからもお仕事を通して、少しでも社会に貢献できる大人になりたいと思います。


―進路選択を控えた高校生にメッセージをお願いします。

 
毎日同じ教室で、毎日同じ顔ぶれと会える学校生活は、おそらく高校時代が最後になると思います。ですから、友人と一緒に過ごす時間や何気ない会話の一つひとつを大切にしてください。
 高校3年生のみなさんは、受験勉強や模擬試験など、悩みの種も多く、気持ちが不安定になりがちだと思います。でも、最善を尽くして、いまできることを全部やっていけば、自分にとって最も良い道が必ず拓けるはずです。
 「いま進んでいる道は最も自分に合っているはず」と、自分を鼓舞して、何事も楽しみながら、勉強も部活も頑張るようにしてはいかがでしょうか。応援しています。


かみしらいし・もね●

1998年1月27日生まれ、鹿児島県出身。2011年、第7回「東宝シンデレラ」オーディションで「審査員特別賞」受賞。NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」で女優デビュー。14年の映画「舞妓はレディ」では、主人公・西郷春子役を熱演。16年8月26日公開のアニメーション映画「君の名は。」では、声優として主人公・宮水三葉役の出演が決定しており、女優としてこれからの活躍が最も期待される一人。





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