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151号

2018/01/13

 年末年始の定番の一つに、漫才のコンテストやお笑いの特別番組などを挙げることができるだろう。過ぎゆく一年を笑って締めくくり、明ける一年を笑って迎えたいという潜在的な願望が隠れているのかもしれない▼お笑いと聞くと、若者文化のイメージを抱かれがちだが、その歴史は意外と古い。たとえば、漫才はもともと中世に栄えた「万歳」がその起源で、新年を祝う芸能の一つだったと伝わる。万歳は近年になって、二人一組で家々を回りながら年始の祝い語を述べつつ、滑稽な踊りや掛け合いを披露する形へと発展し、それがいまの漫才の原型になったのだという▼新年の縁起担ぎと相性の良い洒落も、人々の生活に深く根づいている。たとえば、おせち料理。昆布巻きは昆布の「よろこぶ」に、鯛は「めでたい」というように、それぞれ通じる洒落となっている。漫才でも洒落でも、小さな笑いから福を呼び込もうという機微が伝わってくる▼大学入試センター試験が目前だ。合格発表のその日まで、受験生にとっては気を揉み心が急くような毎日が続くことだろう。しかし、笑う門には福来たる。時には笑って運も味方につけつつ、最後まで悔いなく全力を出し切って欲しい。

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