高校時代は一度だけ、
その一瞬一瞬を大事にしていこう！

俳優 千葉雄大さん























　2010 年、『天装戦隊ゴセイジャー』の主役、ゴセイレッド／アラタ役でデビューを果たし、一躍注目を集めた千葉雄大さん。テレビドラマのみならず、映画、舞台など、多彩な活躍ぶりを見せています。
　大活躍中の千葉さんを訪ね、これまでの人生ストーリーをおうかがいすると共に、高校生のみなさんに応援メッセージを送っていただきました。


ー宮城県で育った幼少期〜高校時代　卒業後は上京して大学に進学

　宮城県の多賀城市で育ち、小さい頃からとても活発な少年でした。小学校の時は学級委員をやっていましたし、放課後は友達とドッジボールなどをしてよく遊んでいました。また、習い事として水泳とピアノをやっていて、特にピアノは発表会で演奏もしていましたね。
　中学校に進学後はソフトテニス部に入部し、真っ黒に日焼けするくらい毎日練習に明け暮れていました。決して強いとは言えなかったのですが、3年生の時は副部長も務めました。また、母親が教育熱心だったこともあって、塾にも通い、勉強も部活動と同じくらい頑張っていました。
　高校は宮城県仙台第三高等学校（仙台市）に進学。部活動には入らずに、ライブハウスに行って音楽をよく聞いていました。高校時代は自分の将来が見通せずに、少し悶々としていた時期でもありました。成績も高校2年生の夏頃までは下から数えた方が早いぐらいで、「これはマズイ……」と思い、そこから学年順位を100番くらい上げました。帰宅部ではありましたが、気合いを入れるために坊主にしていた時期も実はあったんですよ。周りのクラスメイトからはすごく驚かれましたね（笑）。
　そして、進路を決める時期に差しかかり、映画を観るのが好きだったこともあって、映画のノウハウを学べる大学を第一志望にして受験に臨みました。英語・国語・世界史の3教科で受験をしましたが、残念ながら第一志望校には合格することができず、ユニークな教育内容に惹かれて受験を決めた玉川大学（東京都町田市）にセンター試験利用入試を活用して入学を果たしました。


ー充実した大学生活を送る　在学中にスカウトされ芸能界へ

　玉川大学では、文学やデザイン、プログラミングなどの幅広い分野の授業を受けることができましたので、すごく楽しかったです。また、1年生のゴールデンウィーク前までは、上京してきたこともあって、少し寂しい思いをしましたが、徐々に友達が増えると、バンドを結成したり、サークルに入ったりと、次第に大学生活を謳歌していきました。特に音楽が大好きでしたので、ライブハウスなどが多く建ち並び、“サブカルチャーの聖地”として知られる下北沢では友達とよく遊んでいましたね。
　そんな自分に転機が訪れたのは、行きつけの美容院でカットモデルを頼まれたことがきっかけでした。カットモデルになれば、無料で髪を切ってもらえるということで、大学生でお金も無かったこともあり、カットモデルを引き受けることにしました。カット後は雑誌に写真が掲載されるのですが、その雑誌を偶然現在の芸能事務所の方が見てくれて、スカウトという形で声をかけていただきました。
　興味本位な部分もあったのですが、そのまま芸能事務所に所属することになり、初めは『天装戦隊ゴセイジャー』のオーディションを受けました。たくさんの応募者がいましたので、自分は絶対に受からないだろうと思っていたのですが、最終選考まで進み、その時に「ここまで来たら絶対合格したい！」と、強い思いを持って臨んだところ、見事主役に抜擢されました。
　本当は大学も卒業したかったのですが、仕事が忙しくなることが確実になり、大学を中退することになりました。当時お世話になった先生からは「自分のやりたいことが決まったのなら、辞めて新しい道を頑張った方が良い」と後押ししてくれて、その言葉は自分の中では大きな支えになっていました。


ー仕事では「楽しむ」ことを意識　強い意志を持って今後の人生を歩んで
　
　現在はテレビドラマ、映画、舞台など、活躍の場をたくさんいただいていますので、今後はやったことのない役柄にも積極的にチャレンジしていきたいと思っています。
　特に、俳優としては「楽しむ」ことを大事にしていきたいですね。難しそうな役周りを任されると、どうしてもマイナスな気持ちになりがちです。しかし、そこで楽しむ気持ちを持つことによって、役の幅がグッと広がるのかなと考えています。
　また、高校生のみなさんにアドバイスを送るとすれば、高校時代は人生で一度しかないので、その一瞬一瞬を大事にして欲しいということ。自分の高校時代を振り返ると、部活動にも入らずに貴重な時間を少し無駄にしてしまったかなという後悔も実はあるんです。高校時代にしかできないことはたくさんあると思いますので、高校生活を謳歌しつつ、自分の進路ともしっかり向き合ってみてください。
　高校卒業後の進路は、人生の中でも重要な選択になりますが、みなさんの若さならいくらでも軌道修正はできると思います。ですから、その時々で自分が正しいと思うことに対して、強い意志を持って挑戦していけば、きっと道は拓けるはずです。




ちば・ゆうだい●