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183号

2020/09/14

 異次元という形容すらやさし過ぎた酷暑続きの今夏、日本中を感動させた出来事があった。競泳の池江璃花子選手が約1年7カ月ぶりにレース復帰を果たした▼複数の日本記録を保持する池江選手は、2020東京オリンピックでのメダル獲得に大きな期待を寄せられていた。しかし、昨年2月、白血病の治療に専念するためにプールサイドを離れた。復帰戦では集中力を高め、日本学生選手権参加標準記録を切る好成績を残した。今後の目標は2024パリオリンピックでのメダル獲得と、あくまでも前向きだ▼今春大学進学を果たした多くの若者たちが、入構制限によってキャンパスに立ち入れない日々が続いている。切ない事態だが、すでに来春入学者を選抜する入試が目前に迫っている。大学入学共通テストの日程変更、一部国・公立大学における個別学力検査の見送りなどの特例措置はありがたいが、不安の一掃は難しいだろう▼「禍を転じて福と為す」ということわざのように、逆境に立ち向かい乗り越えることができた時に、もう一歩先の成長が待っているというのは気休めか。翻って、大切なのは、いまできることに集中することだ。志望校合格に向けて前を向いて努力したい。


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