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184号

2020/10/13

 金木犀の香りが漂い、秋の訪れを感じさせるなか、10月上旬にノーベル賞受賞者が発表された。今年も世界の発展に資する多くの研究が脚光を浴びている▼ノーベル化学賞では、ゲノム編集技術「クリスパー・キャスナイン」を開発したエマニュエル・シャルパンティエ氏とジェニファー・ダウドナ氏が受賞したことが大きな話題となった。高い精度で効率的にゲノム編集を行うことができる画期的な手法として高く評価されている▼この技術の源流となったのが、大阪大学の中田篤男名誉教授と九州大学の石野良純教授が行った30年以上前の研究だと聞く。大腸菌の遺伝子研究を行っている際に偶然、特徴的な塩基配列を発見し、それが後に「クリスパー」と名づけられた。別の研究の副産物として発見されたものが、数十年を経てノーベル賞を受賞する研究にまで発展したことは新鮮な驚きと共に興味深い▼目覚ましい速さで技術は進歩し、社会は変革していく。しかし、その変革も輝かしい功績もいままでの積み重ねがあればこそだ。それは受験生の学習においても同じことが言えるだろう。これまでの努力の積み重ねが大輪の花を咲かすと信じ、前だけを見て頑張りたい。



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