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188号

2021/02/12

 近所の古書店が閉店した。シャッターに掲示されている張り紙には、「このご時世に鑑みて」との閉店理由が見える。20年近く親しんだ地域密着の古書店の廃業に何とも言えない寂しさを覚えた▼政府から緊急事態宣言の延長が発表された。「自粛疲れ」という言葉が聞こえるように、先行きが不透明なこの社会的状況に疲弊しそうになるが、いま一度緊張感を高め、人恋しい気持ちを抑えたいと思う▼初の実施となった大学入学共通テストの第1日程および第2日程が終了し、各大学の個別学力検査、国・公立大学の二次試験が続く。心身ともに負荷がかかりやすいこの時期、受験生が調子を崩すことなく、試験で全力を発揮することができることを期待したい▼後日、閉店した店舗の前を通ると、張り紙には常連客と思しき人たちからのメッセージが数多く寄せられていた。「長い間ありがとう」といった趣旨の感謝の言葉で埋め尽くされており、道行く人が思わず足を止めるほどだ。人との接触を控えるべき状況が続くからこそ、人の温かい気持ちに救われることがあるのだと知った。これまで支えてくれた人たちの表情を胸に描きながら、前だけを見て頑張り続けるつもりだ。



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