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192号

2021/06/15

 6月10日は「時の記念日」だという。日本で初めて漏刻(水時計)による時の知らせが行われたことを記念して制定された。意外にも、日本で時間感覚が培われたのは、実はここ100年ほどのことに過ぎない▼明治6(1873)年、新暦と共に一昼夜を24等分する「定時法」が制定されるまで、日本人は季節によって基準となる「一刻(約2時間)」の長さが変わる「不定時法」のもとで暮らしており、城郭や寺院が鳴らす「時の鐘」を頼りに時間を把握していたという。当時、来日した外国人が記したある日記には、日本人の鷹揚な時間感覚に戸惑う記述を見つけることができる。次第に交通設備や学校制度が整い、「時間通り」であることの大切さが広まり、その価値観が醸成されたことで、現代日本人として描かれる、時間に厳しいというイメージにつながっていく▼受験勉強を進めていく上でも、タイムマネジメントは重要だ。無理のないスケジュールを組み立てるのはもちろん、試験当日の時間配分なども意識していきたい。時間感覚を研ぎ澄ますことで、ベストを尽くすことにつながるだろう。大学入学共通テストまで約半年。学びの実効を高めていきたい。



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