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200号

2022/02/22

 日本では、2月22日は「猫の日」として親しまれている。江戸時代の浮世絵にも描かれるなど、古くから日本人の暮らしに溶け込んできた猫だが、その多くは老齢期になると慢性腎臓病にかかることが知られていた。そうした中、にわかに注目を集め始めたのが、猫の腎臓病の治療と長寿命につながる新薬が開発されるとのニュースだ▼東京大学の宮崎徹教授は、猫は血液中に存在するタンパク質「AIM」が他の動物のように機能していないことを発見。新薬を研究・開発中と伝わる▼翻って、今年はペットに関する法令が目を引く。5月1日には愛玩動物看護師法が施行され、国家資格の「愛玩動物看護師」が誕生。6月1日には改正動物愛護管理法に従い、ブリーダーやペットショップ等で販売される犬猫についてマイクロチップの装着が義務化される予定だ。生きものと歩む人間の責任の在り方がこれまで以上に問われている▼興味深いのは、「AIM」は猫だけでなく人間のさまざまな病気への活用も展望されている点だ。「画期的」とされる発見を支えたのは、地道な研究の積み上げなのだろう。受験生も堅実な学びの一歩一歩が未来を変えると信じて、全力を尽くして欲しい。



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