11月30日、国語辞典を発行する三省堂が「今年の新語2022」を発表し、大賞に「タイパ」が選ばれた。タイパは和製英語である「タイムパフォーマンス」を省略した言葉で、費やした時間に対して得られる効果といったほどの意味だ▼映画やドラマなどの動画を倍速で視聴したり、音楽の動画でも本人が聴きたい部分のみを再生したりする行動などについて語られる中で、多く使用されるという。新型コロナウイルス感染症の広がり以降、動画を視聴する習慣が身近になったからこそ登場した言葉だと言えそうだ▼志望校合格を目指す受験生も、時間の使い方については人それぞれ、こだわりの部分があるだろう。受験までに残された時間はもちろん、試験中の時間配分という意味でも、上手に活用することが求められる。また、一日24時間のうち、人がベストパフォーマンスを発揮できる時間は限られており、その日のコンディションによっても異なる▼より少ない時間でより満足度の高いものを得ることに対する人々の期待は、年を追うごとに強くなっているように感じる。受験勉強を通して磨かれた時間感覚は、社会に巣立ってからもきっと役立つはずだ。