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231号

2024/09/11

この夏は台風や地震、猛暑など、自然災害に対する日ごろの備えを試されるような日々が続いた。「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が初めて出され、落ちつかない日々を過ごしたという人も少なくないだろう▼南海トラフ地震臨時情報を聞き、地震に対する知識に実感が伴うようになったのは小学校低学年の頃だったことを思い出した。日常のふとした瞬間に「いま地震が起きたら」と考え、不安になっていた感覚が蘇るのと同時に、幼い子どもたちは今回の情報をどう受け止めているのだろうかと考えた▼7月1日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が種子島宇宙センターから打ち上げた地球観測衛星「だいち4号」は、従来より高い頻度で、かつより広い観測幅で宇宙から地球を観測できる人工衛星だ。災害発生後の状況把握はもちろん、火山活動や地盤沈下、地すべり等の異変の早期発見を助け、国民に対する注意喚起を可能にし、減災につなげることが期待されている▼宇宙空間の人工衛星が地上の防災・減災に役立っていることは大変興味深いが、大切なのは、事前の準備なのだろう。過去に経験したことを日々の備えとしていかに刻んでいくかも重要だ。

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