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現職教師と学生の学び合い 東京電機大学
2007/12/15
東京電機大学の学生でつくる「教師を目指す学生の会aims」が12月15日、「第8回授業研修会」を同大鳩山キャンパスにて行った。
「学生と教師が共に学びあう場」をテーマに、現職の教師が学生らを前に模擬授業を実践。その授業をもとに、良かった点、改善点などをグループごとにまとめて発表しあった。
当日は、同会出身でもある吉田享弘教諭(埼玉県蕨市立東中学校)による「正負の数」の模擬授業が行われた。生徒役となった参加者に大事な箇所を声に出して答えさせたり、問題を解かせたら、できた人には挙手をさせ、先生がそこへ行き確認のはんこを押して回るといった、一人ひとりに目をむけた活気のある授業を披露。その授業を受け、参加者からは「積極的に声を出させたり、先生が教室中を動きはんこを押して回るのがよい」「はんこを押してくれると生徒も意欲がでる」など、活発に意見が出された。
さらに、授業の改善点として議論が盛り上がったのは、「なぜ、負の数同士のかけ算は、正の数になるのか」という質問への対応に関してだ。「私ならコインを例に説明する」「トランプを利用して説明してはどうか」など、そこではただ改善案を述べるのではなく、具体的にどうすればよいのかを、案がある人が実際に教壇にたち、教師役になって実践する、そこがとてもおもしろい。また、参加者である現役教師は、模擬授業で進んでできない生徒役を演じたり、きわどい質問を投げかけたりと、参加者があらゆる立場から提案し、指摘し、短い模擬授業はとても中味の濃い時間となった。
この会の目的は、現職の教師はこの授業を通し自分の授業の振り返りになり、学生にとっては現場で活躍する先輩教師の授業にとても刺激を受け、吸収できるお互いが学び合い気付き合えるということ。先輩と後輩が、このように同じ目的のもと、ともに取り組んだ非常に有意義な機会となった。
代表の森哲也さん(数理科学科3年)は「第8回から無限大(8→∞)に、今後も活動を継続していきたい」と、意欲ある言葉で会を締めくくった。
「教育実習に自信がない……」そんな学生たちのことばがきっかけに始まった同会。現在では、教育現場でリーダーとなれる教師育成のため、学生たちが中心となり創意工夫を重ねている、全国でも珍しい取り組みとなっている。教育現場を支える彼らの活動に今後も注目したい。