〔第 68 号〕
2010/04/01
待望の春の到来である。進級・進学、就職と、この季節に新しい一歩を踏み出す人も多いだろう▼今年節目の10年目に突入した弊紙『大學新聞』もまた、紙面の刷新という新たな装いで歩を進めたいと思う。大學新聞の創刊は2000年1月。異論はあろうが、「空から恐怖の大王が来る」と騒がれた、世紀末・1999年の翌年のことだ▼創刊号を繰ってみる。トップ記事は、「急がれる新たな大学、短大像の構築」。18歳人口の減少が進む中での、21世紀「全入時代」への対応を模索する内容だった▼入学定員充足率が100%を割り込んだ学校数を紙面から拾うと、大学83校、短大220校。それが今や大学265校、短大246校と、大学で約5割、短大に至っては7割もの学校が定員を充足できていない。大王の正体がこれだったのかは知る由もないが、短期間のあまりの激動ぶりに恐怖した関係者は少なくあるまい▼大学の経営環境には、依然として冬が居座ったままだ。目前に迫った「2012年」は次なる終末の年だと喧伝されるが、終焉は新しい始まりだとも聞く。さて、今度はどうなるか。活路を見出さんとする個々の大学の取り組みに期待したい。