トップページ > 「進路新聞」私の進路ストーリー > 第6号(平成22年5月20日発行) 俳優 崎本 大海さん

前の記事 | 次の記事

第6号(平成22年5月20日発行) 俳優 崎本 大海さん

2012/06/04

10代のいましかできないこと”に気が付いて

 

俳優 崎本 大海

 

 クイズ番組「クイズ! ヘキサゴンⅡ」や人気ドラマへの出演など、成長著しい若手俳優として実力と人気を集める崎本大海さん。

 芸能活動を続けながら、慶應義塾大学に一般入試で合格し、一昨年に大学を卒業。ますます活躍の場を広げている崎本さんが、自らの進路ストーリーを語った。

 

◆何事にも熱中する性格

 自分で言うのは恥ずかしいですが、何事もできるまであきらめない子どもだった僕は、子役として芸能活動をするかたわら、勉強にも意欲的に取り組んでいました。高校は中高一貫の男子校で学習指導に熱心な先生が多く、周りの友人も個性的な人が少なくなかった。そんな環境でしたから、芸能活動をしていても特別扱いされず、「素の自分」でいら

れるのがとても嬉しかったです。

 勉強は、好きな科目をひたすらやっていました。特に好きだったのは歴史。過去の思想や文化などから現代社会を理解していくことが面白くて。現代史を学ぶなかで法律に興味がわき、法学部のある大学に進学したいと考えるようになりました。

 

転機となったオーディション合格

 進学校でしたから、大学進学が当たり前の環境になっていて、芸能活動をしながら勉強するという自分に葛藤することがありました。俳優か大学進学か、決めかねていた高3の春に大きな転機が訪れました。NHK連続テレビ小説「わかば」のオーディションに合格したんです。自分の出番が多い上に撮影は関西。普通に考えれば、受験か仕事のどちらかを選ばなければいけないのでしょうが、6年間の勉強もこれまでの俳優活動も無駄にしたくなかったので、両方を選んだんです。当初、国立大学を考えていましたが、満足いく勉強をするため、3教科で受験できる私立大学に進路変更し、受験生活をスタートさせました。

 

◆勉強と部活動は同じ

 仕事の合間に英単語を覚えたり、移動の新幹線で問題集を解いたりと、「いまの自分に足りない勉強」を繰り返しやっていました。僕は、勉強って部活動と同じだと思っています。繰り返し練習することで、少しずつ上手くなっていくように、勉強もできるようになってくるんです。努力してできるようになると、それが気持ち良くなって、もっと勉強をしたくなるんですよ。

 

◆大学選びの決定打は先輩の助言

 最初は偏差値やイメージで志望校を選んでいましたが、情報誌などで大学の勉強内容を調べ、慶應義塾大学と早稲田大学を含めた数校に絞り込みました。そして、幸いにして早慶に合格。慶應に決めたのは、通っている先輩から勉強内容などを聞いて、今まで体験したことのない世界が拓ける気がしたからです。

 大学の授業は、親に学費を払ってもらっていたため、仕事以外で欠席しませんでした。

 卒業が近づき、就職と芸能活動の両方について自問自答を繰り返す日々が続く中、僕が選んだのは、芸能活動でした。演技を通じて人を喜ばせたい―。そんな風に考えるようになったんです。大学を無事卒業し、こうして活動できることはとても幸せだと思います。

 

高校生へ応援メッセージ

 勉強は、自分との戦いだと思います。できない自分に絶望するのではなく、できない理由を考え、解決する方法を見つけることが大事。僕は妥協すると、人一倍後悔するタイプだから、何事も精一杯取り組んで、あきらめません。“10代のいましかできないこと”に気付いて、本気になってみてください。きっと何かが見えてくるでしょう。

 

■プロフィール

 崎本大海(さきもと・ひろみ)

 1986823 日生まれ。23歳。

 海城中学校・高等学校から、慶應義塾大学法学部政治学科に進学。在学中から、映画やテレビドラマなどに出演。大学卒業後は、俳優としての活動に加え、歌手活動やバラエティ番組にも進出するなど、マルチな才能を発揮している。


[news]

前の記事 | 次の記事