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〔第90号〕

2013/01/29

 次第に日が短く、朝晩の冷えこみが一層厳しくなってきた。冬至である。冬平成二十四年大雪至は太陽が軌道上の最も南に下がり、昼の長さが一年で一番短くなる日。古代では、夏至から徐々に日照時間が減っていき、太陽の力が一番衰える日だと考えられていた▼冬至を表す言葉の一つ、「一い ち陽よ う来ら い復ふ く」が、中国・周代の占い書「易経」に見える。この世には陰と陽の二極の気があり、それらが交じり合って四季や12カ月が生まれると考えた古代中国人は、太陽の力が衰え、陰の気が強まることを悲観せず、そこから先はまた太陽の力が再び勢いを増すと考えた。以来、「一陽来復」には、悪いことが続いた後に幸運に向かうという意味が込められた▼日本でも不遇な時代を「冬の時」と言い表すことがあるが、12月は「春待月」とも呼ばれ、冬はつらい時期であるのと同時に春の意味を内包させ、新しいものが生まれてくる時期とした。悪いものを払いのける力があるからこその古代人たちの智慧だったのだろう▼11月27日、来春卒業する大学生の就職内定率(10月1日時点)が公表された。63・1% と前年同期比3・2㌽増加し一見回復基調だが、こちらも内定をもらえる学生ともらえない学生の二極化が進んでいるという現実がある。これからが新しいスタートだと気持ちを切り替え、忍耐強く目
指す道へ進み、チャンスをつかんでほしいと切に願う。

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