トップページ > 「進路新聞」私の進路ストーリー > 第18号(平成25年4月30日発行) ミュージシャン ナオト・インティライミさん
第18号(平成25年4月30日発行) ミュージシャン ナオト・インティライミさん
2013/05/01
Catch the moment!! その瞬間を逃すな!!
ミュージシャン ナオト・インティライミ
ストレートかつ等身大の歌詞やメロディーで多くの人を惹きつけてやまないナオト・インティライミさん。数々のライブをこなし、昨年はNHK の紅白歌合戦に初出場。今春には初主演のロードムービー「旅歌ダイアリー」が公開されるなど、いま大注目のミュージシャンの一人です。
そんなナオトさんの進路ストーリーは、どこまでもまっすぐで人とのつながりや出会いを大切にする想いで満ちていました。
■やんちゃなサッカー少年・ナオト
小さい頃はすり傷や切り傷が絶えない、実にやんちゃな子どもでした。ひと言で例えるなら「野猿」かな(笑)。木登りやカブトムシ取り、ザリガニ釣りが大好きで、朝から晩まで外で遊んでいました。もちろん体を動かすことが得意で、サッカー選手になるのが夢でした。
歌は昔から大好きで、親戚のおじがギターを弾く姿を見て「かっこいいな」とおぼろげながらに思っていました。中学2年生の時、サッカー仲間がギターを弾いてるのを見て「俺もやりたい!」と、ギターを始めたのが、しっかりと音楽に目覚めたきっかけだったな。ギターを弾くようになって1カ月後にはもう曲を作っていました。
■先生の言葉で音楽の道へ
高校に入学してすぐに出会った担任の先生の言葉がいまでも忘れられません。二者面談で将来のことを聞かれ、「ずっとサッカーをやってきたけれど、音楽の道を進む夢が膨らんできている」と答えました。「音楽一筋で食べていくのは、雲をつかむような夢のまた夢の話ですよね」―。そう自信なさげに話す私に、先生は言ってくれました。「そんなのは分からない、どんなに高く見えている壁でも、目の前に行ってみたら自動ドアかもしれないよ」、と。
その言葉が胸にズドーンと突き刺さり、「先生、俺音楽やります!!」と宣言しました。本気で音楽の世界を目指すことを決意したのは、そんな先生の後押しもあったからなんです。
■出会いを重ねた大学時代
高校卒業後は大学に進学しましたが、それは「大学はたくさんの人と出会うための場所」だと考えたから。
数え切れないくらい素敵な出会いを重ねてきたけれど、いまでも強く印象に残っているのは高校3年生の終わりくらいから千葉県の柏市で出会ったストリートライブでの仲間たち。ミュージシャン仲間の輪がどんどん広がっていって、柏市を巻き込むカタチで発展していき、ついには柏市が開催するイベントソングを任されることになったんですよ。人と人とが音楽を通してつながって、渦を巻いて、そしてより大きな輪ができ上がっていくのを実感しました。出会いの一つひとつが、新しい何かを生み出す貴重な経験でした。
また、大学では社会学を勉強しました。「自分の興味のあるものを掘り下げる」という社会学のスタンスは、私にとても向いていました。
ジェンダー論や銃問題を学んだり、ホームレスの方にインタビューしたこともありました。社会学を通して身につけた「なぜそうなのか」と常に探ろうとする姿勢は、いまの創作活動にそのまま結びついている気がします。
■ありのままの自分で人とぶつかる
大学在学中にデビューしましたが、うまくいかず「一度気持ちをフラットにしたい」と考え、世界中を放浪する旅に出ました。井の中の蛙のままで終わりたくない、気持ちを奮い立たせる強烈なパンチを受けたい、いままで知らなかった素敵な世界をたくさん見てみたい。そんな想いに駆られたんです。
よく旅で何を得たかと聞かれるんですが、逆に旅の中で余計なモノを捨ててきたように思うんですね。「かっこよく見せたい」と、どこか虚勢を張っていたかつての自分の姿に気づき、人と心からつながるにはそれじゃあダメなんだと悟ったんです。よりシンプルな自分でコミュニケーションする中で生まれる素敵な一瞬一瞬を体験することで、それまでのスタンスが変わりました。ありのままで居続けよう、そう強く思ったんです。
私にとって、音楽は人とつながるための手段なんですね。もっと楽しい時間を共有したいから、知り合いたいからそこに音楽がある。音楽に対してもありのままの自分で向き合うようにしています。
■〝いまを生きる〞高校生にメッセージ
ケータイばっかり見ている暇なんかない!君が下を向いている瞬間、周りでは素敵なことがたくさん起こっています。だから、高校生のころからさまざまなものを「キャッチ」したほうが良い!仮に大学生になって、すぐに就職活動が始まって、みんなで同じスーツを着て説明会に行っても、すぐに自分のやりたいことなんて分からないよね。〝何となく〞で将来を決めたらもったいないと思うんです。
いまこの瞬間から自分にきちんと向き合ってください。「何がしたいのか」「何ができるのか」を、高校時代から考えている人は強い。周りを見てみんながそうだから自分もそうするというんじゃなくて、先にどんどん進んで準備していってください。いますぐ答えが出なくても、意識することで将来のヒントをつかむことができるんじゃないかな。
なおと・いんてぃらいみ
三重県生まれ、千葉県育ち。世界一周29カ国を515日間かけて一人で渡り歩き、各地でLIVEを行い、世界の音楽と文化を体感。2010年4 月、メジャーデビューシングル「カーニバる?」をリリース。その後、たび重なるヒットを放ち、2012年12月、紅白歌合戦に初出場。2013年4月には映画主演を初果たすなど、脚光を浴びる人気ミュージシャンの一人。
ミュージシャン ナオト・インティライミ
ストレートかつ等身大の歌詞やメロディーで多くの人を惹きつけてやまないナオト・インティライミさん。数々のライブをこなし、昨年はNHK の紅白歌合戦に初出場。今春には初主演のロードムービー「旅歌ダイアリー」が公開されるなど、いま大注目のミュージシャンの一人です。
そんなナオトさんの進路ストーリーは、どこまでもまっすぐで人とのつながりや出会いを大切にする想いで満ちていました。
■やんちゃなサッカー少年・ナオト
小さい頃はすり傷や切り傷が絶えない、実にやんちゃな子どもでした。ひと言で例えるなら「野猿」かな(笑)。木登りやカブトムシ取り、ザリガニ釣りが大好きで、朝から晩まで外で遊んでいました。もちろん体を動かすことが得意で、サッカー選手になるのが夢でした。
歌は昔から大好きで、親戚のおじがギターを弾く姿を見て「かっこいいな」とおぼろげながらに思っていました。中学2年生の時、サッカー仲間がギターを弾いてるのを見て「俺もやりたい!」と、ギターを始めたのが、しっかりと音楽に目覚めたきっかけだったな。ギターを弾くようになって1カ月後にはもう曲を作っていました。
■先生の言葉で音楽の道へ
高校に入学してすぐに出会った担任の先生の言葉がいまでも忘れられません。二者面談で将来のことを聞かれ、「ずっとサッカーをやってきたけれど、音楽の道を進む夢が膨らんできている」と答えました。「音楽一筋で食べていくのは、雲をつかむような夢のまた夢の話ですよね」―。そう自信なさげに話す私に、先生は言ってくれました。「そんなのは分からない、どんなに高く見えている壁でも、目の前に行ってみたら自動ドアかもしれないよ」、と。
その言葉が胸にズドーンと突き刺さり、「先生、俺音楽やります!!」と宣言しました。本気で音楽の世界を目指すことを決意したのは、そんな先生の後押しもあったからなんです。
■出会いを重ねた大学時代
高校卒業後は大学に進学しましたが、それは「大学はたくさんの人と出会うための場所」だと考えたから。
数え切れないくらい素敵な出会いを重ねてきたけれど、いまでも強く印象に残っているのは高校3年生の終わりくらいから千葉県の柏市で出会ったストリートライブでの仲間たち。ミュージシャン仲間の輪がどんどん広がっていって、柏市を巻き込むカタチで発展していき、ついには柏市が開催するイベントソングを任されることになったんですよ。人と人とが音楽を通してつながって、渦を巻いて、そしてより大きな輪ができ上がっていくのを実感しました。出会いの一つひとつが、新しい何かを生み出す貴重な経験でした。
また、大学では社会学を勉強しました。「自分の興味のあるものを掘り下げる」という社会学のスタンスは、私にとても向いていました。
ジェンダー論や銃問題を学んだり、ホームレスの方にインタビューしたこともありました。社会学を通して身につけた「なぜそうなのか」と常に探ろうとする姿勢は、いまの創作活動にそのまま結びついている気がします。
■ありのままの自分で人とぶつかる
大学在学中にデビューしましたが、うまくいかず「一度気持ちをフラットにしたい」と考え、世界中を放浪する旅に出ました。井の中の蛙のままで終わりたくない、気持ちを奮い立たせる強烈なパンチを受けたい、いままで知らなかった素敵な世界をたくさん見てみたい。そんな想いに駆られたんです。
よく旅で何を得たかと聞かれるんですが、逆に旅の中で余計なモノを捨ててきたように思うんですね。「かっこよく見せたい」と、どこか虚勢を張っていたかつての自分の姿に気づき、人と心からつながるにはそれじゃあダメなんだと悟ったんです。よりシンプルな自分でコミュニケーションする中で生まれる素敵な一瞬一瞬を体験することで、それまでのスタンスが変わりました。ありのままで居続けよう、そう強く思ったんです。
私にとって、音楽は人とつながるための手段なんですね。もっと楽しい時間を共有したいから、知り合いたいからそこに音楽がある。音楽に対してもありのままの自分で向き合うようにしています。
■〝いまを生きる〞高校生にメッセージ
ケータイばっかり見ている暇なんかない!君が下を向いている瞬間、周りでは素敵なことがたくさん起こっています。だから、高校生のころからさまざまなものを「キャッチ」したほうが良い!仮に大学生になって、すぐに就職活動が始まって、みんなで同じスーツを着て説明会に行っても、すぐに自分のやりたいことなんて分からないよね。〝何となく〞で将来を決めたらもったいないと思うんです。
いまこの瞬間から自分にきちんと向き合ってください。「何がしたいのか」「何ができるのか」を、高校時代から考えている人は強い。周りを見てみんながそうだから自分もそうするというんじゃなくて、先にどんどん進んで準備していってください。いますぐ答えが出なくても、意識することで将来のヒントをつかむことができるんじゃないかな。
なおと・いんてぃらいみ
三重県生まれ、千葉県育ち。世界一周29カ国を515日間かけて一人で渡り歩き、各地でLIVEを行い、世界の音楽と文化を体感。2010年4 月、メジャーデビューシングル「カーニバる?」をリリース。その後、たび重なるヒットを放ち、2012年12月、紅白歌合戦に初出場。2013年4月には映画主演を初果たすなど、脚光を浴びる人気ミュージシャンの一人。
[news]