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[第99号]

2013/09/13

 「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」―。日が暮れる頃、部屋の窓を開けるとずいぶんと気持ちのいい風が入ってくるようになってきた。湿気を帯びた重苦しい風がいつしか爽やかな風へと移り変わった。秋の訪れである。そうは言うものの昼間は残暑が厳しく、「9月」と言われてもまだまだピンとこないのが正直なところだ▼「美しい四季のある国」として世界的にも有名な日本。四季折々の自然を楽しみながら、人々は一年が過ぎるのを感じる。しかし気づけば夏、いまは秋、次は冬が目の前というように、このところ季節の変わり目が曖昧になったような気がする▼酷暑・ゲリラ豪雨・竜巻…ここ数年、天候に関するニュースを耳にすることが多くなった。原因は諸説あるようだが、こうした異常気象が季節の移ろいに鈍感になってしまう要因の一つなのだろうかと思う。カレンダーを確認すると、今年も残すところあと4カ月でハッとした▼長い夏季休暇が終わり、まだ気持ちが夏バテならぬ夏ボケしたままの人も多いと思うが、気を引き締めて新学期をスタートさせたい。文化祭や体育祭など多くの行事を控える学校も多いだろう。受験生にとっては志望校を決める大切な季節だ。秋の紅葉のように、受験生の未来はどのように色づくのか。見守っていきたいと思った次第だ。

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