「第108号」
2014/06/16
6月10日は「時の記念日」だ。「時間をきちんと守り、欧米並みに生活の改善・合理化を」と1920 年に制定された。近代化を目指していた当時の時代背景がうかがえる▼同様に、時を語る言葉として「時は金なり」という諺がある。「時間はお金と同じく大切なものだから浪費してはならない」という戒めだ。今春社会人となったことをきっかけにこの言葉の意味を深く実感した若者も少なくないだろう。貴重な時間をムダにしたくないという考えからなのだろう、世の中では、手早く美味しい料理を作るためのレシピ本や速読法、あるいは仕事術といった、時間を短縮して物事を実行することができる「時短術」がもてはやされている▼この時期の風物詩と言えば「梅雨」だろう。今年もすでに、北海道を除く全域で梅雨入りとなった。雨の日は外出の機会が減る人も少なくない。そんな雨の日が続く季節こそ、日頃の「時短生活」から離れ、じっくりと時間をかけて何かに取り組むのも良いのではないだろうか▼「受験の天王山」が目前だ。長いようで短い夏休みに備え、いまのうちに目標を定めよう。受験勉強の習慣を身につけるというのでも構わない。あるいは、オープンキャンパスに参加をして、志望校での学生生活についてイメージを深めるのも有効だ。この雨が、来春に大輪の花を咲かすための恵みとなることを願いたい。