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「第115号」

2015/01/14

年末年始の高速道路の渋滞は、もはや日本の風物詩といっても良いだろう。帰郷や旅行に気分は高揚し、自然と気持ちもはやる。結果、前方車との距離が縮まり、ブレーキを踏む。そして後続車も同様にブレーキをかけるという連鎖が渋滞が発生する多くの場合のメカニズムなのだという▼室町時代の連歌師・柴屋軒宗長が詠んだ「もののふの 矢橋の船は速けれど 急がば回れ 瀬田の長橋」という歌がある。「急がば回れ」の語源である。武士が京都へ駆けつける際は、速いが危険が伴う海路よりも、距離は長いが安全で確実な「瀬田の唐橋」を渡るべしとの教えだ▼昨年10月24日、中央教育審議会高大接続特別部会は現行の大学入試センター試験を廃止し、新テスト「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を平成32年度より段階的に実施する案をまとめた。これにより、センター試験では難しいとされる「思考力」「判断力」「表現力」を測ることが展望できるのだという。一見素晴らしい案のように思えるが、なかなかどうして議論がかまびすしい▼変化の激しいグローバル社会で慌ただしい日々も少なくないが、そういう時にこそ「急がば回れ」を忘れずにいたいものだ。

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