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アフガニスタン女子教育の発展をめざす 日本女子大学
2007/02/07
日本女子大学に1月17日、アフガニスタンの中学校・高等学校の校長である女性教員8名が来訪し、約50名の学生と共に、アフガニスタンにおける女子教育について討論した。これは、日本女子大学人間社会学部の副専攻必修科目である「国際交流・地域活動講座」の授業。この授業の目的は、同大と国際交流が深い、中国の中華女子学院や韓国の梨花女子大学の女性教員やアフガニスタンで調査経験のある大学院生を招き、多彩な国際連携を考えていくこと。アジアのさまざまな女性教員達と接する経験ができると、同大の人気の授業となっている。
この日は、「どのようにしたら女の子は学校へ行くことができるのか」をテーマとしたワークショップ形式。5年目を迎えたアフガニスタン女性教員研修のプログラムとのコラボレーション授業の試みである。まず、同大人間社会学部現代社会学科の小林多寿子教授が、20年以上におよぶ長期の内戦により、女子教育環境が劣悪な状態から、識字率や就学率のジェンダー格差が生じていることを説明。そして、女の子が学校へ行けない要因は、早婚の考えをもつ親の意識や、働かなければならない家庭経済、女子校が少ないという学校環境などにあるという。しかし、女性が不利益を被るリスクから解法されるためにも、女子教育への必要性が高まっている。
このように、アフガニスタンの女子教育の実態を学んだ学生たちは、メインテーマ「どのようにしたら女の子は学校へ行くことができるのか」に突入すると、積極的に手を挙げ始めた。「私たち日本人が、とにかくアフガニスタンの状況を知ることから始めることが必要」「アフガニスタンの現状を伝える写真展などを開きました」と発言。一方、アフガニスタンの教員は、「日本でアフガニスタンの人々が学べる環境を多く提供して欲しい。そして日本で学んだことをアフガニスタンの人々に伝えられるような人材を増やしていけば、教育環境は少しずつ変わっていくだろう」という意見が出た。 小林教授は、「この授業を通して、国際連携を考えるきっかけになってほしい」と語る。
同大は、お茶の水女子大学、津田塾大学、東京女子大学、奈良女子大学とともに5女子大学コンソーシアムを結成し、アフガニスタンの女子教育を支援するプログラムに参加している。アフガニスタン女性教員研修(JICA・文部科学省)実施をはじめ、現地調査団への参加、アフガンの子どもたちの笑顔をテーマにした写真展の開催や、事前視察研修団の受け入れ等々の活動を積極的に展開している。 2003年には、カブール大学の ポパル・アクバル・モハメッド学長が日本女子大学を来訪し、アフガニスタンの大学と日本の私立女子大学が初めての協定を結んだ。今では、日本の多くの大学が、世界各国の大学と国際協定を結んでいる。
その中でも、日本女子大は、100年以上の女性教育を培ってきた教育実績を生かし、アジア各国における女子教育の発展に力を注いでいる。今後も、世界中の女性に目を向けた、女子教育の先端を走る同大に期待したい。