「第118号」
2015/04/13
心躍るうららかな陽気と共に、〝はじまり〞の季節がやってきた。おそらく新入社員なのだろう、真新しいスーツ姿にぎこちなさを残しながら満員電車の洗礼を受けている▼新生活シーズンは、新たな一歩を踏み出す当事者でなくても、どこかそわそわとしてしまいがちだ。そんなことを考えながら、社会人の先輩として、初々しい若者たちに心の中で密かにエールを送った▼日本生産性本部の調査によると、平成27年度の新入社員のタイプは「消せるボールペン型」だという。「見かけだけで判断して、書き直しができる機能(変化に対応できる柔軟性)を活用しなければもったいない」「熱を入れる(熱血指導する)と、色(個性)を消しかねない」というのが命名の所以だと聞く。親心からであっても、信頼関係が築かれないまま熱を注がれれば燃え尽きてしまいかねない。「鉄は熱いうちに打て」とはいうものの、そう杓子定規にはいかないのが人間の難しさか▼4月だというのに、関東の一部で満開の桜に雪が降り注いだ。環境の変化に耐え切れず、すぐに散ってしまうのでは哀しい。スタートラインに立った時に抱いた未来への展望は、心に咲かせたままでいたいものだ。
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