「142号」
2017/04/17
春の訪れを知らせる桜が見ごろを迎えている。気象庁は4月2日、東京都心で桜が満開になったと発表した。都内の著名スポットは連日大勢の人で賑わいを見せている。仲間と共に桜を見ながら舌鼓を打つ瞬間、改めて日本文化の素晴らしさを感じる▼4月と言えば、新しい出会いの季節でもある。大学・短期大学等では入学式が、企業では入社式などが全国各地で一斉に行われた▼新入生は充実したキャンパスライフの実現を、新社会人は高校・大学など、これまでの人生で学んできたことを大いに社会に還元し、活躍して欲しい。それが新しい門出を迎えた若者に許された特権なのだろうと思う▼翻って、政府は返還不要の給付型奨学金を正式に導入することを決定した。平成29年度は対象者を住民税非課税世帯の生徒などに限定した「先行実施分」として給付される予定だ。日本の高等教育における学費は世界的に見ても極めて高く、また、頼みの綱とする奨学金もほとんどが貸与型で大きな社会問題となっている▼桜の花びらのように、家庭の経済状況や生育環境が異なるという、本人には責任のない理由で、意欲のある若者が進学を断念することのない社会の実現が求められている。
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