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「143号」

2017/05/15

 将棋界に期待の新星が現れた。中学3年生にしてプロ棋士の藤井聡太四段である▼史上最年少14歳でのプロ転向後の成績は16連勝と負け知らず。先日は非公式戦ながら将棋界の絶対王者・羽生善治三冠と対局。新旧の天才同士の対決とあってその行方に注目が集まったが藤井プロが見事勝利。将棋界はもちろん、世間の度肝を抜いた▼昨年のデビュー戦で対戦した現役最年長プロ棋士の加藤一二三九段は、藤井プロの強さの秘密は「探究心」にあると読む。将棋と向き合う姿勢が素晴らしく、常に最善の一手を考えている点が今回の結果につながっているとの分析だ。今後の成長が楽しみな好青年である▼翻って、日本学生支援機構は4月24日、今年度創設した給付型奨学金制度の受給対象者の指針を高等学校に通知した。とりわけ目を引いたのが、高校時の成績はもちろん、レポートや面談を通じて「進学意欲」や「人生設計」を評価するという点だ▼「意欲」や「探究心」といった目に見えない、数値化できないものをどうとらえるかは考える以上に難しい。しかし、そうした資質のある若者を積極的に支援していく社会の実現が一歩ずつではあるが着実に推し進められている。

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