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156号

2018/07/18

 フィギュアスケートで数々の功績を残す羽生結弦選手が史上最年少23歳にして国民栄誉賞を受賞した。今冬開催された平昌五輪では、66年ぶりとなる2連覇を達成。日本国民はもちろん、世界中がその華麗な演技に魅了されたと言っても過言ではないだろう▼羽生選手は1994年生まれ。いわゆる「ゆとり世代」のど真ん中だ。豊かな人間性を育むべくスタートした「ゆとり教育」だが、さまざまな議論を呼んだことは記憶に新しい。11年からは脱ゆとり教育が始まり、現在は大学入学共通テストの導入に象徴される大規模な教育改革も目前に迫っている。何かと揶揄されがちなゆとり世代の若者に限らず、羽生選手の活躍は、結果を出すのに世代は関係ないということを証明してくれたと考えたい▼6月1日、大学生に対する就職採用の選考活動が解禁された。いつの時代にも大切な基準軸とは、一面的な世代観ではなく、何を成し遂げたいのかということではないか。やるべきことに取り組んだ者のみが得られる景色がそこにはあるはずだ。若さゆえの素直さと元気を武器にさまざまなことに積極的に挑戦して、ゆとり世代の新しいイメージが描き出されることを期待したい。

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