174号
2019/12/26
師走を迎え、駅前の往来が幻想的なイルミネーションの光で彩られている。日本に縁のある科学者3人にノーベル物理学賞が贈られるきっかけとなった青色発光ダイオード(LED)。この青色LEDの発明以降、明るく省エネルギーな白色光源が普及し、白や青を基調としたイルミネーションも増えた印象がある▼ノーベル賞といえば、先日、旭化成名誉フェローの吉野彰氏が「リチウムイオン電池」の開発でノーベル化学賞を受賞した。小型・軽量・大容量という三条件を満たしたリチウムイオン電池は、スマートフォン、デジタルカメラ、パソコン、電子辞書など、わたしたちの身近にあるさまざまな機器に活用されている▼このリチウムイオン電池の特筆すべき点は、電気自動車の実用化に道を開き、環境問題の解決に大きく貢献したことだ。実際に、吉野氏は自身の講演の中で、受賞理由の一つに持続可能な社会の構築への期待を挙げたという▼吉野氏は、研究者に必要な性格として、剛と柔のバランスを説いている。受験生も、あきらめず問いに執着する「剛」の面と、壁に直面しても何とかなるさと切り替える「柔」の面の両面を使い分けて、志望校合格をつかみ取って欲しい。
[news]