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195号

2021/09/16

 異例とも言える記録的な大雨となった今年の8月だったが、気がつけば涼しい風に乗って虫の大合唱が聞こえてくる季節となった。「中秋の名月(十五夜)」など、風物詩と共に過ごしやすい毎日をありがたく思う▼9月1日は防災とボランティアの日として知られる。これは、大正12(1923)年9月1日に発生した関東大震災に由来するものとされ、全国各地で防災訓練が行われる一日でもある▼地震による被害は、津波をはじめ建物倒壊、火災、土砂崩れ、液状化現象などさまざま。接近・上陸する台風が増え、大雨や洪水、暴風、高波、高潮などももたらされる時期だ。「虫の知らせ」に頼らず、日頃から災害時にどのような行動を取れば良いのかの備えが必要だろう▼夏季休暇が終わり、秋に差しかかるこの時期は、受験本番に向けてアクセルを踏み込むタイミングだ。しかし、軸となるはずの高校の勉強は、短縮授業や分散登校など、思うように腰が定まらない状況が続くのが懸念される。家庭学習に起因する“格差”も看過できない。日常の小さな積み重ねにこそ、備えの種が隠されている。この時期の過ごし方ひとつで収穫できる果実は大きく異なるに違いない。





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