232号
2024/10/16
10月1日に召集された第214回臨時国会を経て、石破茂氏が第102代内閣総理大臣に選出された。新内閣の発足からほどなくして衆議院が解散され、日本の政治に大きな変化が訪れようとしている▼約150年前、1867年10月にも日本の政治は変革期にあった。江戸幕府第15代将軍・徳川慶喜によって「大政奉還」が行われた。日本は、約260年間続いた江戸幕府による武家政治に終止符を打つのと同時に、明治という新時代に足を踏み入れた▼「最後の将軍」として知られる慶喜は、「文武両道」の一面を持っていたとされる。武術の一つである手裏剣の技術を生涯にわたって磨き続けたほか、フランス語の習得にも力を注いだ。茶道や和歌など、日本の伝統文化にも通じており、明治時代になると写真や自転車、手芸等の新しい文化を楽しむ姿も見られたという。多彩な才能と深い教養を備えた慶喜の先見性が日本を近代化へと導いたのかもしれない▼受験生にとって、基礎固めに注力した「夏」が終わり、入試本番に向けた対策を講じていく「秋」に差しかかる。季節の変わり目でもあるが、これまで培ってきた基礎体力と基礎学力を武器に最後まで頑張って欲しい。
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