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233号

2024/11/15

ガラスの天井は、こんなにも高く、破れないものなのか。11月7日、107日間の選挙戦の末にカマラ・ハリス氏が敗れた。母校・ハワード大学の壇上で述べた敗北宣言は「決してあきらめないで」と、国民を鼓舞するものだった▼ハワード大は「歴史的黒人大学」の名門校の一つであり、奴隷制廃止から約200年の時を経て、2021年に史上初の女性副大統領としてハリス氏が就任したのは記憶に新しい▼近年、国内で急速に拡大しているのが政府も後押しする大学入試における「女子枠」の設置だ。ジェンダーバランス改善や学生の多様化につなげる狙いがある一方、「逆差別」というネガティブな意見も少なくない。世界はいま、ジェンダー平等の実現に向けた転換期にある▼翻って、日本では、理工系分野で学び、社会で活躍する女性が諸外国に比べて少ない現実がある。「性別役割分業意識」が日本社会に温存されてきたとの指摘がある。しかし、好きや楽しいと思える気持ちは、進路を決める一番のコンパスになるはずだ。悩んだり反対されたりすることもあるかもしれないが、あきらめずに学びたいと思う学問の扉を叩くことが、潜む格差意識を破る第一歩となるだろう

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