244号
2025/10/10
連日の厳しい残暑がようやく和らぎ、朝晩の空気が澄みわたる心地良い季節となった。「二季」という言葉が喧伝される一方、田畑では稲穂が頭を垂れ、果実が色づき始めるなど「実りの秋」の到来を感じさせる▼「実り」とは、自然の恵みはもちろん、長い時間をかけて積み重ねてきた努力の結晶でもあろう。国語辞典を引くと、「植物が身を結ぶこと」に続いて、「物事の成果があがること」という語釈が確認できる。農家が春から田を耕し、水を引き、夏の暑さの中でも丹念に草を取り、ようやく秋に収穫を迎えるのと同じように、受験生にとって10月は、それまでの努力の成果が少しずつ形となり始める時期だ▼すでに良い結果を得ている人もいれば、学習の成果が思うように振るわず、模擬試験の成績に一喜一憂することもあるに違いない。しかし、真の実りは数字だけなのか。果実が得られなければ努力に意味はないのか。いや、違う。机に向かい続ける姿勢や苦手分野に挑み続ける意志こそが、この時期に似つかわしい産物なのではないか▼やがて冬が訪れ、厳しい寒さの中で最後の踏ん張りが求められるだろう。その時に自信を持って進むために、いまは黙々と努力を重ねていきたい。
[news]
