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245号

2025/11/10

 日本物理学会が11月3日を「物理の日」として制定した。物理学の世界は、物体の運動や熱、波、電気といった古典的な分野から人工知能(AI)や宇宙探査に至るまで、この瞬間も無限に広がり続けている▼高校生の頃に学んだ物理学について、改めて科学雑誌などでふれてみると、数多くの仮説の存在に気づく。例えば光の正体について、17世紀後半にはアイザック・ニュートンの唱えた粒子説と、クリスティアーン・ホイヘンスが唱えた波動説が示されていた。19世紀初頭にトーマス・ヤングが「スリット実験」と呼ばれる著名な実験で光に波のような性質があることを証明すると、謎を残しながらも波動説支持が拡大。その後、光は波でもあり粒子でもあるとする光量子仮説がアルバート・アインシュタインによって提唱されると、現代物理学における主流な見方として確立された▼物理学の歴史から得られるのは、現代科学で当たり前とされている概念や定説が絶対的ではないという教訓だ。その意味では、受験生のみなさんが新たな仮説の提唱者になる可能性も十分にあるはずだ。受験に向かうこの時期ならではの地道な努力が、新たな時代を呼び込むものと信じたい。



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