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第102回 明治学院大学 学長 今尾真氏
2025/10/10
他者のために貢献できる人材を育成
明治学院大学 学長 今尾真氏
キリスト教による人格教育を建学の精神として、「Do for Others」(他者への貢献)を教育理念とする明治学院大学(東京都港区)。昨年4月に新しく情報数理学部を開設するなど、文系・理系合わせて7学部17学科7研究科を擁する総合大学として社会で活躍できる人材を多数輩出している。
昨年度に学長に就任し、今年2年目を迎えた今尾真学長を訪ね、これまでの経歴や大学の魅力、近年力を入れているスポーツ活動・教養教育改革、今後の抱負などについてお話をうかがった。
志願者数が大幅に増加へ 注目集める学科紹介動画
――明治学院大学の特徴について教えてください。
本学は日本で初めての和英辞典『和英語林集成』を編纂し、ヘボン式ローマ字を広めたことで知られるJ・C・ヘボン先生が横浜で開校した男女共学の英学塾「ヘボン塾」を起源とする大学です。
現在、白金と横浜の両キャンパスに合わせて1万2000人以上の学生が学んでいます。情報と数理の力で人が主役のAI社会の創造を目指す「情報数理学部」を新設し、文系と理系の両方の学部を有する総合大学として社会のニーズに応える幅広い学びを提供しているのが特徴です。
また、教育理念にはヘボン先生が生涯貫かれて実践した「Do for Others」の教えを掲げ、自分がしてもらいたいと思うことは、他人にもしてあげなさいという「他者への貢献」の教えを大切にしています。
――今尾学長のこれまでのご経歴を教えてください。
私は群馬県の出身です。もともと文学や歴史が好きでしたので、大学は文学部に進学しようと考えていましたが、ご縁があって法政大学(東京都千代田区)の法学部法律学科に進学することになりました。フランスの文学・歴史、特にナポレオンが大好きだったこともあり、大学時代に日本の民法典の淵源がナポレオン法典にあるということを知り、以降はフランスや日本の民法について夢中で学んでいたように思います。
大学卒業後は法律をさらに深く学んでみたいと思い、早稲田大学大学院(東京都新宿区)法学研究科で民事法学について専門的に学びました。その後、明治学院大学の法学部の教員として入職。昨年からは学長を務めさせていただいております。
――昨年度実施された入試では、前年度比133%の志願者数になったとうかがいました。受験生から支持された要因について教えてください。
入試結果を分析してみると、「英語外部検定試験利用型」の出願が大きく増えたことが分かりました。もともと本学は英学塾を起源としており、文学部や国際学部において英語などの語学教育や国際教育に非常に力を入れています。そのため、一般選抜の英語科目ではマークシート方式だけではなく、記述式の問題も出題していますので、高得点を取るためにはしっかりとした対策が求められます。ですから、「明治学院大学への入学を希望しているけれど、英語が少し苦手」といった受験生の層が、英語外部検定試験利用型に着目し、実用英語技能検定やTEAP、GTECなどの外部検定試験を上手く活用して本学を受験した結果、志願者数の増加につながったのではないかと分析しています。
また、全17学科の学生に協力してもらい、学部・学科の紹介ムービー「Hello My Philosophy」を制作・公開したことも大きかったように思います。これは、各学科が目指す方向性やビジョンをキャッチコピーとして短くまとめ、17人の学生がそれを述べるという動画です。撮影は設備が整ったスタジオで行い、プロのカメラマンに協力してもらうなど、まるで映画のワンシーンを見ているようなクオリティの高い動画に仕上げることができました。一般選抜の出願開始前の12月に公開したこともあり、この動画を見て「明治学院大学を受験してみたい」と思って出願した受験生も一定数いたのではないかと考えています。この動画は現在も公開されていますので、読者のみなさんもお時間がある時にぜひ視聴していただければ嬉しく思います。
「スポーツの明学」を浸透へ 教養教育のさらなる充実
――箱根駅伝本選出場を目指すプロジェクトを始動しているとうかがいました。
大学は学問を深く探究することが第一の目的ですが、それと共に部活動やサークル活動に情熱を注ぐ学生は大勢います。そうした学生を大学として応援していきたいという熱い想いのもと、平成17(2005)年に「明学スポーツを強くするプロジェクト」を発足。以来、部活動に対する支援を強化しており、昨年度には新しくMG箱根駅伝プロジェクト「Road to HAKONE 2028」をスタートさせました。これは令和10(2028)年までに箱根駅伝本選出場を実現させるというプロジェクトで、「スポーツの明学」という新たなブランドの創造や大学関係者の愛校心を育むのが狙いです。
また、従来の実績のある指導者の招聘に加えて、実力のある選手が入学しやすい入試制度の整備、そして今年3月には合宿施設「黎明館」の一部を陸上競技部長距離選手専用の学生寮に改修するなど、さまざまな強化策の取り組みを行っています。箱根駅伝は東京の大手町からスタートして神奈川の箱根・芦ノ湖までを往復する駅伝ですから、東京と神奈川にキャンパスを有し、選手が走るコースに非常に近い位置(品川と戸塚)にキャンパスを構える本学としては、箱根駅伝本選出場の悲願を必ず達成したいと考えています。
――明治学院大学の学長として、今後の抱負をお聞かせください。
日本では少子化が急速に進行しており、文部科学省が公表している資料によると、令和22(2040)年には46万人まで大学進学者数が減少すると推計されています。今後の大学業界は学生獲得競争が激しくなることは間違いありませんから、しっかりとした将来構想を持って大学改革を行い、有為な人材を社会に輩出する教育機関であり続けたいと考えています。
そのためには、まず学修者本位の教育の「質」の向上を図っていくことが不可欠です。すでに力を入れている英語教育や国際交流・ボランティア活動はさらに強化するとともに、今後は「心の目、心の耳をひらかせる教養教育」のさらなる充実も図っていく予定です。また、文系・理系を問わず、他学部の授業を履修してみたいと思う学生は少なくありません。将来的には学部間の垣根をいまよりもっと低くし、他学部の科目を志向に合わせて履修できる「クロス・ラーニング・システム(XLS)」の実現も目指していきます。
――全国の高校生にメッセージをお願いします。
明治学院大学は自由な学風が特徴で、多くの学生が大学時代にしかできない素晴らしい経験をたくさん積んで社会に羽ばたいていきます。卒業生については民間企業・公務員を問わずさまざまな分野に就職しており、教員・公務員や航空業界・サービス業などに多くの人材を輩出しています。
昨年は新しく情報数理学部を開設し、今年は横浜キャンパスに新校舎ができました。文系・理系の多彩な学びがありますので、興味のある方は本学の門を敲いてほしいと思います。
――全国の高校の先生方に向けてメッセージをお願いします。
本学の教育理念は「Do for Others」(他者への貢献)であることから、ボランティア活動にも力を入れています。昨年1月に能登半島地震が発生した際には、本学のボランティアセンターが主導して学生と教職員の有志が災害ボランティアとして現地に赴き、被災地支援を行いました。学生への手厚い教育はもちろん、社会に貢献する大学であることもぜひご理解いただけましたら幸いです。
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