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【第48号】

2007/12/25

かつて、自分の牛と他人との牛を区別するために焼き印をつけていた。この「焼き印」がブランドの始まりとされている▼他の商品と差別化することがブランドとしての役割。しかし、ユーザーは安易にブランドを信頼しきっている節がある▼ブランドをなぜ信頼してしまうのだろうか。それは、「ブランド=完成」と捉えているからだろう。コラムニストの天野祐吉さんは「ブランド品=発展途上品」だと言う。だから現在もあるべき姿を求めて、弛まぬ努力を続けて、顧客を満足させている▼高級バッグで知られるルイ・ヴィトンは、職人が目の肥えた客の要望に応えようと、血のにじむような努力をしてきたという。客と職人とのせめぎ合いがあって、発展させてきたのだ▼歳末恒例のその年を表す漢字一字は「偽」が選ばれた。吉兆や赤福などのブランドを、安易に信頼していてはいけないことを示している。だます方が悪いのはもちろんだが、だまされるまでに何もしなかったのは自分たちであるからだ▼受験生に人気の大学が「ブランド大学」と呼ばれる。そう呼ばれる大学をどうこういうつもりはない。ただ属しているだけでは、発展はない。大学の構\成員である学生も、教職員と一緒に努力して大学を築き上げて行くことが真の「ブランド」大学になるだろう。ルイ・ヴィトンのように。
 

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