【第52号】
2008/06/01
ライバルとは「同じ川を巡って争う人々」と、水源の確保から生まれた言葉である。やがて「肩を並べる者」「対抗馬」という意味に発展し、「競争相手」の意味が強くなった▼スポーツの世界では、ライバルの存在が、ファンを楽しませてくれる。野球でいうなら、古くは江夏vs王、江川vs掛布など。現在では、松坂vsイチローだろうか▼挙げればきりがないが、ライバルの存在があってこそ、名勝負が生まれる。互いに切磋琢磨し、それが見ている者を感動させる▼美術大でのライバル校といえば、武蔵野美術大学と多摩美術大学が挙げられよう。どちらも社会で活躍する卒業生を輩出している美術大学だ▼そんなライバル校同士が、興味深いイベントを行う。6月15日に行われる武蔵野美大のオープンキャンパスで、ライバル校同士で対談するのだ。互いの大学から見た美大像が語られる。大胆な企画を実現させた武蔵野美大、それを引き受けた懐の深い多摩美大。どんな話がでるのか楽しみだ▼このような企画が他大学でも行われるようであれば、「あの大学とあの大学との対談ならどうなるか」と、想像するだけでもワクワクする。ライバルの存在が大学の可能性を引き出す▼教育に「競争」はそぐわないという意見もあろうが、いい意味での競争はあってもいいだろう。