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【第55号】

2008/10/01

 まだまだ残暑が続くが、暦上は秋。食欲の秋にちなんで焼き肉屋で「ホルモン焼き」を食べていたときに、ふと思い出したことがある。諸説あるホルモンの語源に、関西の方で「捨てる物」を意味する「ほおるもん」を語源とする説があるらしい▼放り出したといえば、安倍晋三、福田康夫前総理の辞任劇。1年おきに日本のリーダーである首相が替わるという異例の事態。われわれ国民にとっては、投げ出したという印象しか抱けない。麻生太郎新内閣が9月24日に誕生したが、まずは安定した政権を作ってもらいたい▼精神科医の故・斎藤茂太さんの著書に『すべてを「投げ出したくなった」ら読む本』(新講社)というものがある。「『イヤだ、イヤだ、すべてを投げ出しちゃって(中略)』という気持ちになってしまってもアタリマエ」と斎藤さんは言う▼しかし、「自分に与えられた役割を投げ出して、いわば裸の、ありのままの姿になった自分を、あなたは愛せますか」とも問いかけている▼受験生は、たとえ勉強にくじけそうになっても、自らの将来がかかっていると思えば、そう簡単には投げ出すことはできない。そうでなければ、入試は突破できないだろう▼放りだしたい気持ちをもったとしても、そのまま踏みとどまることができるかどうかが、分かれ目になる。

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