【第58号】
2009/01/01
2009年の干支は、「己丑(つちのとうし)」。今年は、どのような年になるのか。これまでの己丑の年には、どのような出来事があったのかを振り返ってみよう▼1469年は、1467年に始まった応仁の乱の2年後。11年間も続いた内乱で、戦乱まっただ中。1769年には百姓一揆が各地で多発。混迷の時代である▼しかし、悪いニュースばかりではない。1949年には湯川秀樹博士が、日本人初となるノーベル賞を受賞した。昨年は日本人3人がノーベル賞を受賞するという快挙に、日本中が沸いた。今年も昨年に続き、日本人研究者の受賞が期待できそうだ▼現在、金融危機のあおりを受け、百年に一度という未曾有の不安定な経済状況である。それでも日本は、何度も不況を乗り越えてきた▼不況脱出で思い出されるのは「ダルマ蔵相」と呼ばれた高橋是清。7度も大蔵大臣を務め、支払い猶予令、金本位制離脱、金利引き下げなど、次々と有効な景気対策で見事な手腕を発揮した▼新年を迎え、まだ先行き不透明な部分が残る。しかし、ノーベル賞を受賞する頭脳、不況を乗り越える力のある人材がいたのは日本人に底力がある証拠。そんな人材を育てるのは、教育の使命でもある。教育界から、明日のわが国を導く良い知らせが生まれる年であってほしい。