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【第59号】

2009/02/01

 オープンキャンパスをしている大学を訪れると、案内をしている学生が「ここの大学の生徒たちは……」と言うのを耳にすることがある。学生が自分のことを「生徒」と呼ぶのである。どうも違和感がある▼たかが用語のことかもしれないが、大事なこと。手元にある国語辞典(旺文社第十版)によれば、「生徒=特に中学校・高等学校で教育を受ける者」、「学生=大学に在学する者」と、使い分けられている。生徒と学生は別物だ▼一方で、こんな学生もいた。ある美術大学を取材しているとき、自分のことを「作家」という学生に出会った。その学生は美大の大学院生ということもあり、一般の大学生とは違うこともあるかもしれない。けれども、これから作家として成功したい、そんな信念を感じた▼入試の時期でもある今、生徒は「学生」の一歩手前である「受験生」となる。すでに推薦入試などで合格を決めた者もいよう。もちろん、最後の「生徒」としての時間は大切にしてもらいたい。ただし、少しずつ「学生」へ脱皮する準備を始めてもいいだろう▼「チェンジ」のキャッチフレーズでバラク・オバマ氏が米国の新大統領となった。オバマ大統領ではないが、「生徒」から「学生」さらにその先へ、自分自身のチェンジを意識してほしい。「Yes, You Can」

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