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【第61号】

2009/03/28

3月22日に行われた3万5000人のランナーが首都の街並みを駆け抜けた東京マラソン。人生はしばしばマラソンに例えられるように、ゴール達成や走行タイムのすばらしさの感動はもちろん、その途中にあるいくつもの困難に立ち向かう姿に参加者それぞれのドラマがあった▼北海道を舞台に、高3の主人公ヒロとシュウの等身大の恋愛を描いた映画『ハルフウェイ』。永遠に続くことを信じて真剣に恋をする2人が、「進路決定」という大きな壁にぶつかり、格闘する▼地元の大学に進学するヒロと東京の大学を目指すシュウ。「行くな」というヒロの想いに応えるため、シュウは進路変更を決断する。「目先のことを見ている」と指摘され、自分で理解しつつも「今も大事なんで」と言い切る▼映画の題名『ハルフウェイ』は、「『途中』を英語で言うと?」という問いの回答「half way」を、ヒロが読み違えたことに由来する。切り取られた2人の高校生活の物語は、長い人生の「途中」の出来事。その途中で相手を想い、自分と向き合い、迷い、答えを出していく▼4月になり新しい学びのスタートが切られる。3月のゴールまでに、順調に走り抜く生徒もいれば、いくつかの壁にぶつかり、迷う生徒もいるだろう。今を大事にするか、遠い未来を思い描くのか。自分を信じ、納得できるまで、真剣に悩むことが一番大切なのではないだろうか▼3月でゴールとはいえ、それは長い人生の途中。途中でもがくからこそ、達成後の喜びも大きい。途中で苦戦を強いられながらも、第2回ワールド・ベースボール・クラシックで優勝を勝ち取った日本代表のように。

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