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災害時にデザイナーができること 多摩美術大学

2006/09/12

 多摩美術大学が米国のアートセンターカレッジオブデザインと合同で行っている地震災害対策「パシフィック・リム」プロジェクトの成果発表が、8月8日に行われた。1年間の研究のうち、6月から8月を日本で、1月から3月をアメリカで過ごし、その日本での研究期間における発表だ。

 それぞれの大学から10名の学生がプロジェクトに参加し、学生たちが、地震災害時においてデザイナーは何ができるのかを考え、デザインの可能性を世界に発信することを目的としている。3ヵ月のリサーチ、討議、作品制作を通して見出された答えは「価値の再発見」。
学生が作品をつくる過程のワークシート

 発表された内容は、アイディア、機能ともに見ているこちらがわくわくしてくるようなものばかりだった。例えば自動販売機。街中にあることを利用して、災害時には避難所へ誘導するインフォメーションになる。また、通常時には公園のアスレチックだったものが、災害時には水の補給所になり、またシェルターにも変わるデザインなど、斬新で未来型の発想ばかりだ。
災害にも対応できる、流行を意識したユニフォームや靴

 日常何気なく使っているものが、意外な所で役に立ったという経験をしたことはないだろうか。あるモノの形や色、大きさなどが災害時の行動を規定(誘導)することがある。そうしたモノや情報が、その価値を再度見つめ直すことで、有効に利用できるデザインとして生まれかわった。プロジェクトメンバーはそれを「問題解決のためのデザインから、可能性を追求するデザイン」だという。
携帯電話で被害情報を送ると、看板がSOS表示に変わる

 ロサンゼルスと日本、言語も文化も違うが、地震のおきやすい地域であるという共有点をもった2つの大学。彼らが同じテーマで取り組むことで、“災害時”という特殊な状況に対応できる、よりよいデザインの可能性が追求できたのだろう。残り半年、アメリカでの研究期間を経て、最終的にどのような研究結果が発信されるのか、大いに期待したい。

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