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〔第83号〕

2012/05/14

 ある調査によると、18歳人口は今後2017 年度までは現在の水準である平成二十四年立夏120 万人前後を維持するものの、直後から急減し27年度にはおよそ103 万人になることが有力視されている▼だからなのだろう、「こどもの日」を前に総務省がまとめた人口推計によると、15歳未満の子どもの数は前年比12万人減の1665 万人と、31年連続で減少。総人口に占める割合も13・0%で、1975 年から38年連続で低下した▼そのこどもの日も含めた今年の連休はカレンダーにきれいに並んだ。この期間をゴールデンウィークと呼ぶようになったルーツは映画業界というのが定説で、この時期の空前の大ヒット映画にあやかって命名されたらしい▼思えば、大学界にもゴールデンを冠する「ゴールデンセブン」と呼ばれた時代があった。何もせずとも学生が集まると揶揄された、86年から92年までの18歳人口急増期の7年間のことである▼現在まで続く大学改革の端緒は、ゴールデンセブン終焉期である91年の大綱化にある。しかし、秋入学がにわかに脚光を浴び、一部では今年が「新・大学改革元年」と囁かれはじめているとも聞く。社会変革を意味する秋入学の全面移行実現で黄金期を手繰り寄せることができるのか。カレンダーには決して載っていない、ましてや他力本願でもない新しい暦を自ら創造する気概と胆力が試されている。

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