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〔第84号〕

2012/06/14

 天文現象が大きな注目を集めている。5月21日、「金環日食」を仰ぎ見たばかりだというのに、6月6日には金星が太陽を横切る「太陽面通過」が続いた。そして8月には「金星食」なる現象も
あるそうで、オリンピックイヤーに「金」が三つ続くゴールドラッシュが、より良い一年の象徴であって欲しいと願う▼星の動きからさまざまな法則・現象を導き出す天文学は、紀元前2000 年頃に始まったと聞く。古代の人々にとって、季節や暦の把握は生活上欠かせない行為であり、一生を星の観察に捧げた学者も少なくなかったに違いない▼人生を賭けて打ちこめる生業に巡り合えるかどうか。古くて新しいこのテーマのもと、重要なのはやはり「好きなのかどうか」だろう。就職活動が早期化・長期化する現代、学生たちが個別企業を吟味する時間は考える以上に乏しい▼ことの真偽は定かではないが、地動説をめぐる自身の裁判の中で「それでも地球は回っている」とつぶやいたとされるガリレオのように、これだと信じる道を持ちたい。十分な企業研究はもちろん、卒業後の何十年も続くキャリアパスをいかに描き出していくか。大学や企業と同様に学生たちの姿勢も問われている。

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