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第93号 業界・企業人のいまどきの教育考
2013/03/05
全9回にわたりお届けしてきた「新・人材(財)教育」。
〝いま実社会で求められていることは何か〞をテーマに、社会の第一線で活躍している方々からリアルな提言をいただいてきた。最終回となる今回はその総括として、これまでご登場いただいた9人のお話を振り返る。(役職・肩書きなどは取材当時のものです)
「失敗を恐れず行動しよう」
株式会社タニタ 代表取締役社長 谷田 千里氏
「社員食堂」が話題のタニタ社・谷田社長。若い人には積極性やIT 分野などへの興味を持ち、日ごろから世の中の流れに関心を持って欲しいと話す。「若いうちは失敗することが特権なのでチャレンジし続けて欲しい」という言葉が印象に残った。
「礼儀と作法に勝るものなし」
大日本印刷株式会社 常務役員 山崎 富士雄氏
「営業」の世界で活躍されてきた山崎氏は、お客様あっての仕事にはコミュニケーション能力が欠かせないと力説。「苦しいことがあってもそれを自分で乗り越えることで力がつき、社会人になった自分を支えてくれる」とエールを送る。
「仕事を好きになる努力を」
株式会社帝国ホテル 総料理長 田中 健一郎氏
人をもてなす「料理」の世界には、感受性が強くて吸収力のある若いうちに進むのが有利である。純粋に料理に向き合うことで座学では得られない学びがあると田中氏。「寝ても覚めても仕事のことを考える期間を経験して成長して欲しい」と語りかけた。
「若いうちに何かを極めよう」
YKK株式会社 代表取締役会長CEO 吉田 忠裕氏
若いうちから海外に出て仕事を経験するというのがYKK の方針。異国での体験や苦労をばねに成長することが人材育成の大事な要素だという。
若い人には、「これだけは頑張ったという何かを持って欲しい」とアドバイス。
「まずは一歩を踏み出してみよう」
元NFLチアリーダー 小島 智子氏
チアリーディングに出合ったのは高校2年。その後周囲には無理だと言われた大学進学を果たし、夢を実現させた小島氏。「自分のキャリアを決めるのに遅過ぎることはない」とメッセージ。夢中になれるものがあれば挑戦し、夢がないならとにかく探してみたらと熱弁を披露。
「ことばの力を知って欲しい」
NHKラジオセンター エグゼクティブアナウンサー 山下 信氏
「どれだけ社会が発展しても、言葉で他者に思いを伝えることは変わらず私たちにとっての原点である」。言葉を扱うプロである山下氏は、若者のコミュニケーションが言葉を介さず完結してしまうことに危惧を抱く。改めて相手と向き合って話をすることが相互理解の基本であるということを伝えてくれた。
「前向きに続けることが大切」
ロンドン五輪ボクシング競技・ミドル級 金メダリスト 村田 諒太氏
村田氏は「人生はクローズアップして見ると悲劇だが、ロングショットで見ると喜劇である」というチャップリンの言葉を引く。
自分をよく分析し、否定的にとらえるのではなく、明るく一生懸命に取り組めば、必ず良い循環が生まれるはずだと信じる。「あきらめずに継続することが大切だ」とメッセージを送った。
「”自分らしさ”を確立しよう」
埼玉りそな銀行 代表取締役社長 上條 正仁氏
現代の新入社員について、問題意識も高くコミュニケーション能力も高いと評す上條氏。特に女性の活躍が目立ち、将来は支店の4割を女性の責任者に任せる構想があると明かす。
若い人に向けて、「好奇心や創造力を持ち、自分で考えて判断・行動ができる力を養って欲しい」と結んだ。
「信頼を築ける力が必要」
伊藤忠商事株式会社 人事・総務部長 小林 文彦氏
ビジネスの現場では、相手との信頼関係を構築できる力が求められると強調。「周囲から信頼を得られる人材が魅力的だ」という。また、採用場面で重視するのは人間性だと説く。マニュアル通りの言葉ではなく、ありのままに自分の考えや姿勢を伝えることの大切さを教えてくれた。
《ホスト役を務め、9人の方々を迎えた女子栄養大学常任理事・染谷忠彦氏にこれまでを振り返ってのご意見を頂戴する》
お会いした方々はこれまで大変なご苦労や経験を乗り越えて現在の立場にあり、本当に含蓄のあるお言葉を数々いただくことができ大変感謝しています。表現こそ違えども、若者や教育界に対するメッセージが通底していたように思います。
まずはキャリアプランニングへの着手は早い時期が良いということです。夢を見つけて行動するのに遅過ぎることはないのでしょうが、いまは「現場」や「お客様」を大切にすること、そこで良好なコミュニケーションを取ることが欠かせない世の中になっています。社会に出てそうした経験を積むのには、この時期がベターなのだという、そんなタイミングがあるのだと思います。
また、学生時代に基礎学力を身につけることの重要性も多くの方が説いていました。同時に、社会性も培うことで「人間力」を高めるのも不可欠です。人間力の定義は容易ではありませんが、少なくとも相手から好まれる人柄であることや、自分の意見をしっかりと持つことが大切だと伝えてくれました。
社会は変化を急いでいます。高校や大学の教育現場では、どうかすると見えにくい〝何か〞を9人のリアルな声から感じ取っていただき、今後のご指導の参考にしていただけることを切に願っています。
〝いま実社会で求められていることは何か〞をテーマに、社会の第一線で活躍している方々からリアルな提言をいただいてきた。最終回となる今回はその総括として、これまでご登場いただいた9人のお話を振り返る。(役職・肩書きなどは取材当時のものです)
「失敗を恐れず行動しよう」
株式会社タニタ 代表取締役社長 谷田 千里氏
「社員食堂」が話題のタニタ社・谷田社長。若い人には積極性やIT 分野などへの興味を持ち、日ごろから世の中の流れに関心を持って欲しいと話す。「若いうちは失敗することが特権なのでチャレンジし続けて欲しい」という言葉が印象に残った。
「礼儀と作法に勝るものなし」
大日本印刷株式会社 常務役員 山崎 富士雄氏
「営業」の世界で活躍されてきた山崎氏は、お客様あっての仕事にはコミュニケーション能力が欠かせないと力説。「苦しいことがあってもそれを自分で乗り越えることで力がつき、社会人になった自分を支えてくれる」とエールを送る。
「仕事を好きになる努力を」
株式会社帝国ホテル 総料理長 田中 健一郎氏
人をもてなす「料理」の世界には、感受性が強くて吸収力のある若いうちに進むのが有利である。純粋に料理に向き合うことで座学では得られない学びがあると田中氏。「寝ても覚めても仕事のことを考える期間を経験して成長して欲しい」と語りかけた。
「若いうちに何かを極めよう」
YKK株式会社 代表取締役会長CEO 吉田 忠裕氏
若いうちから海外に出て仕事を経験するというのがYKK の方針。異国での体験や苦労をばねに成長することが人材育成の大事な要素だという。
若い人には、「これだけは頑張ったという何かを持って欲しい」とアドバイス。
「まずは一歩を踏み出してみよう」
元NFLチアリーダー 小島 智子氏
チアリーディングに出合ったのは高校2年。その後周囲には無理だと言われた大学進学を果たし、夢を実現させた小島氏。「自分のキャリアを決めるのに遅過ぎることはない」とメッセージ。夢中になれるものがあれば挑戦し、夢がないならとにかく探してみたらと熱弁を披露。
「ことばの力を知って欲しい」
NHKラジオセンター エグゼクティブアナウンサー 山下 信氏
「どれだけ社会が発展しても、言葉で他者に思いを伝えることは変わらず私たちにとっての原点である」。言葉を扱うプロである山下氏は、若者のコミュニケーションが言葉を介さず完結してしまうことに危惧を抱く。改めて相手と向き合って話をすることが相互理解の基本であるということを伝えてくれた。
「前向きに続けることが大切」
ロンドン五輪ボクシング競技・ミドル級 金メダリスト 村田 諒太氏
村田氏は「人生はクローズアップして見ると悲劇だが、ロングショットで見ると喜劇である」というチャップリンの言葉を引く。
自分をよく分析し、否定的にとらえるのではなく、明るく一生懸命に取り組めば、必ず良い循環が生まれるはずだと信じる。「あきらめずに継続することが大切だ」とメッセージを送った。
「”自分らしさ”を確立しよう」
埼玉りそな銀行 代表取締役社長 上條 正仁氏
現代の新入社員について、問題意識も高くコミュニケーション能力も高いと評す上條氏。特に女性の活躍が目立ち、将来は支店の4割を女性の責任者に任せる構想があると明かす。
若い人に向けて、「好奇心や創造力を持ち、自分で考えて判断・行動ができる力を養って欲しい」と結んだ。
「信頼を築ける力が必要」
伊藤忠商事株式会社 人事・総務部長 小林 文彦氏
ビジネスの現場では、相手との信頼関係を構築できる力が求められると強調。「周囲から信頼を得られる人材が魅力的だ」という。また、採用場面で重視するのは人間性だと説く。マニュアル通りの言葉ではなく、ありのままに自分の考えや姿勢を伝えることの大切さを教えてくれた。
《ホスト役を務め、9人の方々を迎えた女子栄養大学常任理事・染谷忠彦氏にこれまでを振り返ってのご意見を頂戴する》
お会いした方々はこれまで大変なご苦労や経験を乗り越えて現在の立場にあり、本当に含蓄のあるお言葉を数々いただくことができ大変感謝しています。表現こそ違えども、若者や教育界に対するメッセージが通底していたように思います。
まずはキャリアプランニングへの着手は早い時期が良いということです。夢を見つけて行動するのに遅過ぎることはないのでしょうが、いまは「現場」や「お客様」を大切にすること、そこで良好なコミュニケーションを取ることが欠かせない世の中になっています。社会に出てそうした経験を積むのには、この時期がベターなのだという、そんなタイミングがあるのだと思います。
また、学生時代に基礎学力を身につけることの重要性も多くの方が説いていました。同時に、社会性も培うことで「人間力」を高めるのも不可欠です。人間力の定義は容易ではありませんが、少なくとも相手から好まれる人柄であることや、自分の意見をしっかりと持つことが大切だと伝えてくれました。
社会は変化を急いでいます。高校や大学の教育現場では、どうかすると見えにくい〝何か〞を9人のリアルな声から感じ取っていただき、今後のご指導の参考にしていただけることを切に願っています。